32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者の病態として適切なのはどれか。
1: 強迫性障害
2: 社会不安障害
3: 回避性人格障害
4: 身体表現性障害
5: 急性ストレス反応
21歳の女性。衝動的に食器を割ったり、自身の手首を切ったりするなどの行為が続いたため精神科病院へ入院となった。夜になると両親に電話し、自分を見捨てるのではないかと脅迫的に責めたてた。また主治医を罵倒し、椅子を投げつけるなどの暴力を振るった後すぐに「先生はすばらしいお医者さんですからどうか治してください」と泣きながら懇願することもあった。この患者の作業療法を行う上で適切でないのはどれか。
1: 患者の退行的な言動を受け入れる。
2: 作業療法以外の治療状況を把握する。
3: 作業療法士の中に生じてくる感情を自覚する。
4: 行動化による自己破壊的な結果を患者に説明する。
5: 患者、作業療法士の双方が守るべき規則を明確にする。
26歳の女性。異性問題でリストカットを繰り返し入院となった。その後も病棟看護師に甘えたかと思えば暴言を吐く状態が続いている。入院後2週が経過して作業療法が処方された。この患者にみられやすいのはどれか。
1: 心気症
2: 注意障害
3: 強迫症状
4: させられ体験
5: 見捨てられ恐怖
70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。この時期の患者に対する作業療法の目的として適切なのはどれか。
1: 食事動作の維持
2: 精神的混乱の軽減
3: 廃用症候群の予防
4: 非言語的交流の活用
5: 福祉用具の適用評価