第45回午前第19問の類似問題

第53回午前:第14問

23歳の男性。高校卒業後、公務員として働いていた21歳時に統合失調症を発症したため退職し、入院した。退院後は家業を手伝っていたが、命令的内容の幻聴によって3日間放浪したため、2度目の入院となった。1か月後に退院し、実家からデイケアに通い始めた。この時点で把握すべき情報として最も重要なのはどれか。  

1: 認知機能

2: 対人関係

3: 余暇の過ごし方

4: 就労に対する希望

5: 精神症状の生活への影響

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、統合失調症を発症し、2度目の入院を経てデイケアに通い始めた患者の状況において、最も重要な情報を選ぶことが求められています。この時点では、患者の精神症状が生活への影響を把握することが最も重要です。
  • 認知機能は重要な要素ですが、問題文に認知機能の障害についての記載がなく、公務員として働いていた経験や家業を手伝うことができたことから、認知機能の問題はないと予想できます。このため、選択肢1は最も重要な情報ではありません。
  • 対人関係は今後の生活において課題となる可能性はありますが、問題文に対人関係が家庭生活や社会生活において問題となっている記述がないため、この時点で把握すべき情報としての優先順位は低いです。選択肢2は最も重要な情報ではありません。
  • 余暇の過ごし方については問題文に記述がなく、この時点での優先順位は低いです。選択肢3は最も重要な情報ではありません。
  • 就労に対する希望は重要ですが、患者はデイケアに通い始めた時期であり、退院後の生活を安定させることが優先です。就労については、デイケアでの様子を見た後に進めても良いため、選択肢4は最も重要な情報ではありません。
  • 患者の入院原因は幻聴であり、退院して間もない時期にあるため、精神症状が生活環境の変化によって再燃する可能性があります。この時点では、患者の精神症状が生活へ影響していないかを把握することが重要であり、選択肢5が最も重要な情報です。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第56回午後:第18問

23歳の男性。中学生の頃から対人緊張が強く、人前での食事で発汗や赤面、緊張が強まることがあった。大学進学後も実習の発表時に緊張が強く、動悸や発汗を苦にしていた。卒業後に病院で作業療法士として働いていたが、通勤中のバスに停留所から同僚が数人乗り込んでくると、動悸、振戦、発汗が生じるようになった。車内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない。考えられるのはどれか。  

1: 解離性障害

2: 強迫性障害

3: パニック障害

4: 社交(社会)不安障害

5: PTSD〈外傷後ストレス障害〉

  • 答え:4
  • 解説:この患者は人前での緊張や不安を感じることが多く、自律神経症状が現れることが特徴的であり、社交(社会)不安障害が考えられます。
  • 解離性障害は、無意識のストレスや葛藤が身体症状に変換される反応であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 強迫性障害は、不合理な考えが頭から離れず、同じ行動を繰り返すものであり、この患者の症状とは一致しません。
  • パニック障害は、突然の動悸や恐怖感、息苦しさが特徴的であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 社交(社会)不安障害は、人前での緊張や不安を感じることが特徴的であり、この患者の症状と一致します。このため、答えは4です。
  • PTSDは、強烈な出来事の後に様々な症状が現れるものであり、この患者の症状とは一致しません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第39問

68歳の男性。21歳時に精神分裂病(統合失調症)を発症し入退院を数回繰り返した。50歳ころから症状が安定し家庭菜園をしながら弟の家族と同敷地内の離れ家で暮らしていた。今回、数年前からの多発性脳梗塞による認知症が進み、日常生活が困難となり、老人性認知症疾患療養病棟に入院した。作業療法場面での留意点で適切でないのはどれか。  

1: 自動症

2: せん妄

3: 転倒

4: 脳卒中発作

5: 精神分裂病(統合失調症)の悪化

第49回午後:第16問

21歳の女性。統合失調症。大学に進学後1人暮らしをしていたが、4年生になっても就職先が決まらず、不眠と焦燥感が出現した。その後、他の学生から悪口を言われている声も聴こえ始め、アパートに閉じこもるようになった。母親が患者の異変に気付き精神科を受診させ休学となった。外来受診を継続し1か月半が経過したところで、外来での作業療法が処方された。この患者に対する作業療法計画の留意点として適切なのはどれか。  

1: 復学の時期を決める。

2: 職業適性を評価する。

3: 集団活動の利用を重視する。

4: 日常生活の行動目標を話し合う。

5: 実施作業種目は作業療法士が選択する。

第55回午前:第11問

51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。  

1: 静かな環境で行う。

2: 新規課題を毎日与える。

3: 複数の作業療法士で担当する。

4: 不適切な言動には繰り返し注意する。

5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。

  • 答え:1
  • 解説:この患者は外傷性脳損傷により記憶障害、前頭葉機能障害、遂行機能障害が見られるため、静かな環境で行う作業療法が適切である。
  • 静かな環境で行うことは、感情のコントロールが難しい患者にとって適切であり、外界からの刺激量を調節し感情の高ぶりが生じにくくなる。
  • 新規課題を毎日与えることは、この患者にとって混乱を招く可能性があるため適切ではない。長期的に慣れ親しんだ活動が適する。
  • 複数の作業療法士で担当することは、患者が混乱する可能性があるため適切ではない。担当する作業療法士は一人とし、作業の指示も統一した方法で行うべきである。
  • 不適切な言動に対して繰り返し注意することは、患者の感情を逆なでする可能性があるため適切ではない。注意する際は、自尊心を損なわないように配慮するべきである。
  • 集団でのレクリエーション活動は、作業が複雑になりやすく、処理すべき情報も過多となるため、個別対応のほうが望ましい。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午前:第20問

32歳の女性。8歳の娘が担任の先生の勧めで1週前に精神科を受診し、注意欠如・多動性障害と診断を受けた。放課後等デイサービスを利用することになり、作業療法士がこの女性と面接したところ「集中力が続かないし、物忘れもひどかったけど、まさか自分の子どもが障害児なんて思っておらずいつも叱っていた。お友達ともうまくいっていない状況が続いており、とても心配していた。これからどうしたら良いでしょうか」と話す。この時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。  

1: 娘への不適切な対応を指摘する。

2: 障害の特徴について解説する。

3: 他の障害児の親に会わせる。

4: 障害は改善すると伝える。

5: 不安を受け止める。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、注意欠如・多動性障害と診断された娘を持つ母親が不安を抱えている状況に対して、作業療法士がどのように対応すべきかを問うています。最も適切な対応は、まず母親の不安を受け止めることです。
  • 娘への不適切な対応を指摘することは、母親をさらに精神的に追い詰めることになり、望ましくありません。また、叱ることは母親としての愛情でもあり、これが不適切な対応かどうかはわからないため、この選択肢は適切ではありません。
  • 障害の特徴を解説することは、母親の不安を解消するためには不十分です。母親はすでに娘の特徴をある程度把握しており、現在の不安はそれだけではぬぐえません。まずは母親の気持ちに共感し、不安を受け止めることが重要です。
  • 他の障害児の親に会わせることは、母親が落ち着いてから行うべきです。現在の不安と混乱がある状態では、他のケースの理解は困難であり、この選択肢は適切ではありません。
  • 障害は改善すると伝えることは、作業療法士が行うべきではありません。予後などの診断に関連することは、作業療法士から説明することは避けるべきです。また、注意欠如・多動性障害の症状は徐々に改善することもあるが、完全に改善するという保障はないため、この選択肢は適切ではありません。
  • 不安を受け止めることは、最も適切な対応です。作業療法士が母親の気持ちを受容したことが母親自身で理解できれば、信頼関係を構築するきっかけとなります。まずは母親の不安を受け止め、その後で適切なサポートを提供することが重要です。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第46回午前:第16問

19歳の男性。統合失調症。大学入学後、授業中に突然大声で叫ぶようになり、幻聴と被害妄想とが認められたため入院となった。治療開始後1か月経過し症状が改善したため自宅へ退院したが、疲労感が強く半年間引きこもっていた。このため、復学を目標として外来作業療法が開始された。この時期の患者の状態はどれか。  

1: 要安静期

2: 亜急性期

3: 回復期前期

4: 回復期後期

5: 社会内維持期

第47回午後:第91問

広汎性発達障害で認めにくいのはどれか。  

1: 姿勢異常

2: 精神遅滞

3: 限局した反復行動

4: コミュニケーション障害

5: 相互的な社会的関係の異常

第34回午前:第21問

24歳の男性。会社員。オートバイによる自損事故で外傷性脳損傷となった。受傷後2か月経過。抗てんかん薬を内服中。意識は清明。易怒的である。左不全片麻痺と軽度失調症とを認める。歩行は短下肢技装具で自立。ADLはほぼ自立しているが、病室を間違えたり、他患者とけんかするなどの問題があった。社会復帰の準備を始めるにあたり誤っているのはどれか。  

1: 病前の教育歴、社会歴を調べる。

2: 記憶、情動制御など高次脳機能を評価する。

3: IADL能力を把握する。

4: 現状での作業能力を検査する。

5: 会社の上司に復職準備を依頼する。