第44回午前第29問の類似問題

第42回午前:第35問

32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者への作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 自殺企図に注意する。

2: 少量の飲酒を勧める。

3: 仕事を休むよう助言する。

4: 幼児期の体験を話題にする。

5: リラクセーションを指導する。

第34回午前:第38問

46歳の女性。知的障害。IQは75。23歳で結婚したが数か月で離婚。実家に戻ったが家出を繰り返し、家では易刺激的、多量に飲水をするようになり入院。退院後も大量服薬したり、相手かまわず電話をする。また、1日に40~50本喫煙し、ボヤを起こし再入院した。入院後2か月目に社会性の向上を目的に作業療法が処方された。作業の手順はすぐ覚えるが、性急で間違いが多く、それを指摘すると飲水が始まり作業が中断する。この場合の行動への対処方法で適切なのはどれか。  

1: 間違いを作業療法士が修正する。

2: 間違いを自分で説明させ修正させる。

3: 間違えていても作業を続けさせる。

4: 間違いを指摘し飲水をしないように話す。

5: 間違いの修正は患者の判断に任せる。

第37回午前:第34問

57歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒していたが、夫が退職したころから、昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、著明な離脱症状はなかったが、しばらく不安、抑うつが続いた。薬物療法によって、これらの症状が軽減したので作業療法が処方された。作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。 ア.断酒の決意について聞く。イ.夫との関係について聞く。ウ.趣味について聞く。エ.作業種目について希望を聞く。オ.病室での一日の過ごし方を聞く。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第40回午前:第37問

25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。  

1: 状況対応力の低さ

2: 過度の緊張

3: 不安の発現

4: 複雑部分発作の前兆

5: 注意集中の困難

第38回午前:第27問

42歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。25歳時に「お前は泥棒だ」という声が聞こえるようになり初回入院した。今回も幻聴と被害妄想が出現し3回目の入院。入院5週目で病状は落ち着き作業療法が依頼された。疲れやすさと抑うつ傾向が目立つ。開始後まもなく「退院して就職したい」と言ってきた。作業療法士の対処として適切でないのはどれか。  

1: 職種の検討

2: ストレス対処技能の訓練

3: 方針確認の会議の開催

4: 現在の障害の確認

5: 主治医との話し合い

第55回午前:第17問

40歳の男性。20歳から飲酒を始め、就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた。その後、毎晩の飲酒量が増え、遅刻や無断欠勤をし、休みの日は朝から飲酒するようになった。連続飲酒状態になり、リビングで泥酔し尿便を失禁していた。心配した妻に連れられて精神科を受診し、そのまま入院となった。離脱症状が治まり、体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された。初回面接時には「自分は病気ではない」と話した。初期の対応で適切なのはどれか。  

1: 飲酒しないように繰り返し指導する。

2: 心理教育により依存症の理解を促す。

3: AA〈Alcoholics Anonymous〉を紹介する。

4: 10 METsの運動で身体機能の回復を促す。

5: 飲酒による問題の存在を受け入れるよう促す。

  • 答え:2
  • 解説:この患者はアルコール依存症であり、病気であることを否認している。初期の対応としては、心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 否認がみられる患者に対して、飲酒しないように繰り返し指導するだけでは効果が得られにくい。患者が飲酒がなぜいけないのか理解できるようなアプローチが必要である。
  • 心理教育により依存症の理解を促すことは、患者の病識を高め、断酒を勧める上で適切な対応である。この選択肢が正しい。
  • AAや断酒会などの自助グループへの参加は、回復期のアルコール依存症患者に対して有効であるが、現時点では時期尚早であるため、初期の対応としては適切ではない。
  • 10 METsの運動は負荷量が大きく、現在の患者には適切ではない。初期の段階では栄養状態を確認し、運動は低負荷から開始するべきである。
  • 患者は否認がみられるため、飲酒による問題の存在を受け入れるよう促すだけでは理解が得られにくい。心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第40回午前:第28問

46歳の男性。アルコール依存症。以前から大酒家で、糖尿病、高脂血症および肝障害があった。出張先で連続飲酒状態になり、家族と会社嘱託医師の勧めでアルコール専門病棟に初回入院。離脱症状が治まって1週後、作業療法に参加となる。作業療法参加時の観察事項として適切でないのはどれか。  

1: 睡眠不足による注意力散漫

2: 肝障害による易疲労感

3: 飲酒欲求による無断外出

4: フラッシュバックによる幻覚

5: 末梢神経障害による歩行障害

第44回午前:第39問

20歳の男性。広汎性発達障害。高校の普通科を卒業後、工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり、昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した。その後、抑うつ的な状態が続き、精神科受診となった。この患者への作業療法の目的で最も適切なのはどれか。  

1: 体力の向上

2: 自尊心の回復

3: 見当識の改善

4: 行動の自己洞察

5: 生活リズムの回復

第47回午後:第15問

46歳の男性。アルコール依存症。以前から大酒家で、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)及び肝機能障害を指摘されていた。出張先で連続飲酒状態になり、家族と会社嘱託医師の勧めでアルコール専門病棟に初めて入院した。離脱症状が治まって1週後、作業療法を開始することになった。作業療法参加時の観察事項として適切でないのはどれか。  

1: 飲酒要求による無断外出

2: 睡眠不足による注意力散漫

3: 肝機能障害による易疲労感

4: フラッシュバックによる幻覚

5: 末梢神経障害による歩行障害

第55回午前:第11問

51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。  

1: 静かな環境で行う。

2: 新規課題を毎日与える。

3: 複数の作業療法士で担当する。

4: 不適切な言動には繰り返し注意する。

5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。

  • 答え:1
  • 解説:この患者は外傷性脳損傷により記憶障害、前頭葉機能障害、遂行機能障害が見られるため、静かな環境で行う作業療法が適切である。
  • 静かな環境で行うことは、感情のコントロールが難しい患者にとって適切であり、外界からの刺激量を調節し感情の高ぶりが生じにくくなる。
  • 新規課題を毎日与えることは、この患者にとって混乱を招く可能性があるため適切ではない。長期的に慣れ親しんだ活動が適する。
  • 複数の作業療法士で担当することは、患者が混乱する可能性があるため適切ではない。担当する作業療法士は一人とし、作業の指示も統一した方法で行うべきである。
  • 不適切な言動に対して繰り返し注意することは、患者の感情を逆なでする可能性があるため適切ではない。注意する際は、自尊心を損なわないように配慮するべきである。
  • 集団でのレクリエーション活動は、作業が複雑になりやすく、処理すべき情報も過多となるため、個別対応のほうが望ましい。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第44回午前:第33問

26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。復職に向けて本人と職場の上司とを交えた面接を行うこととなった。その時の作業療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 病気の特徴を説明する。

2: 上司に服薬管理を依頼する。

3: 困った時の相談相手を決める。

4: 他者との共同作業を提案する。

5: 病前と同じ業務の継続を依頼する。

第42回午前:第37問

25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者への作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 社会的な役割の体験

2: 試行錯誤の作業体験

3: 作業援助を受ける体験

4: 作業活動による成功体験

5: 自己肯定感を高める体験

第44回午前:第38問

20歳の男性。広汎性発達障害。高校の普通科を卒業後、工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり、昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した。その後、抑うつ的な状態が続き、精神科受診となった。この患者の行動特性はどれか。2つ選べ。  

1: 場の雰囲気を読み取ることが苦手である。

2: 順番を待つことができない。

3: 新しいことが覚えられない。

4: 不測の事態に対応できない。

5: 常に落ち着きがない。

第44回午前:第40問

33歳の男性。てんかん。IQ75。仕事を何度も変えている。母親への依存が強く何事も相談しないと始められない。発作再発で入院したが、処方薬の調整も済んで退院を目的として作業療法が開始された。開始して間もなく「口の中でコーヒーの味がしてくる」と訴えた。このときの対処で適切なのはどれか。  

1: 作業を続けさせる。

2: 母親へ電話をかけさせる。

3: 横に寝かせて安静を保つ。

4: 緊張緩和のために話しかける。

5: 不快感をとるためにうがいをさせる。

第50回午前:第18問

20歳の男性。統合失調症。専門学校に通っていたが、いじめをきっかけに引きこもる生活となった。次第に容姿を批判される幻聴が生じ、不穏興奮状態となって精神科に入院した。3週後、不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが、抑うつ気分の訴え、睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた。作業療法を開始してまもなく「学校に戻れるだろうか」と不安を訴えた。作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 「勉強を取り入れていきましょう」

2: 「生活リズムから整えていきましょう」

3: 「スポーツで体力の向上を図りましょう」

4: 「集団レクリエーションに参加してみましょう」

5: 「SSTに参加して対人関係の練習をしてみましょう」

第41回午前:第38問

19歳の男性。てんかん。IQ 70。養護学校卒業後にクリーニング店に就職した。仕事ののみ込みが悪いと店主に注意されたことがきっかけで仕事に行けなくなり、家に引きこもりがちとなった。時々家族に暴力を振るうようになり、家族が主治医に相談した結果、外来作業療法が処方された。本人、家族とも「仕事ができれば」と希望を語っている。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.作業内容は患者に選択させる。イ.運動能力を高める作業を行う。ウ.自己表現の練習を行う。エ.対人技能の訓練を行う。オ.集中力を高める作業を行う。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第56回午後:第17問

50歳の男性。妻と二人暮らし。1年前に支店長に昇進してから仕事量が増え、持ち前の几帳面さと責任感から人一倍多くの仕事をこなしていた。半年前に本社から計画通りの業績が出ていないことを指摘され、それ以来仕事が頭から離れなくなり、休日も出勤して仕事をしていた。2か月前から気分が沈んで夜も眠れなくなり、1か月前からは仕事の能率は極端に低下し、部下たちへの指揮も滞りがちとなった。ある朝、「自分のせいで会社が潰れる、会社を辞めたい、もう死んで楽になりたい」と繰り返しつぶやいて布団にうずくまっていた。心配した妻が本人を連れて精神科病院を受診し、同日入院となった。入院後1週間が経過した時に気分を聞くと、返答までに長い時間がかかり、小さな声で「そうですねえ」と答えるのみであった。作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 退職を勧める。

2: 気晴らしを勧める。

3: 十分な休息を勧める。

4: 自信回復のために激励する。

5: 集団認知行動療法を導入する。

  • 答え:3
  • 解説:この患者はうつ病の疑いがあり、心身の疲労回復に努める時期であるため、十分な休息を勧めるのが適切な対応である。
  • うつ病の疑いがある患者には判断能力が減退していることがあるため、退職という重大な決断を勧めることは適切ではない。
  • 返答までに長い時間がかかる状態の患者には、気晴らしを勧められることでも心理負担であるため、適切ではない。
  • 患者は心理的に不活性であり、「もう死んで楽になりたい」と思い詰めている状況であるため、十分な休息を勧めることが適切である。
  • 患者は個人の限界に達して職能が破綻していることから、激励することは患者を心理的に追い詰めてしまうことになるため、適切ではない。
  • 患者が自分のペースや能力を超えて活動しようとすることが予測されるため、集団での活動は避けた方が良い。集団認知行動療法を行うとすれば、患者の症状が明らかに回復に向かい、自分の気持ちと現実との関係性をポジティブに認識できる時期からでも良い。
  • 科目:気分障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第43回午前:第30問

23歳の女性。統合失調症。短大卒業後、事務員として働いていた。職場の同僚に噂されていると上司に訴えるなど、被害関係妄想が強まり精神科に紹介され入院となった。薬物療法で精神症状は治まり、2週目に作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 職場復帰に向けての訓練

2: 他患者との場の共有

3: 対人交流技能の訓練

4: 金銭管理の練習

5: リラクセーション

第45回午前:第16問

30歳の男性。統合失調症。高校時代から体調不良を訴えるようになり、自宅に引きこもっていた。5年前に幻覚妄想状態のため入院し作業療法を継続していたが、最近、「退院したい」と意欲を見せ始めた。作業療法種目を変更した3日後に患者が身体的不調を訴え始めた。対応で適切なのはどれか。  

1: 休憩の時間を増やす。

2: 以前の作業種目に戻す。

3: 直ちに作業療法を中止する。

4: 他の作業療法士が担当する。

5: 就労意欲を高める種目に変更する。

第46回午後:第18問

22歳の男性。統合失調症。作業療法の開始後、しばらくして「周りの人が自分の悪口を言っている気がする」と訴えてきた。作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 訴えを助長しないよう聞き流す。

2: 個室に移動させ、作業を継続させる。

3: 休憩を取り入れ、周りの人たちの様子を観察させる。

4: 勘違いであることを説明し、気にしないよう説得する。

5: 周りの人たちに、悪口を言ったかどうかを1人ずつ確認する。