52歳の男性。アルコール依存症。7年前から飲酒量が増え、コントロールがつかず昼から飲むようになり、2年前に会社を辞めた。2か月前から連続飲酒の状態となったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。離脱症状が改善されたため作業療法を開始した。この患者の退院に向けた支援で適切でないのはどれか。
1: 心理教育を行う。
2: 作業時間を増やす。
3: 家族会を紹介する。
4: デイケアの利用を検討する。
5: 自助グループへの参加を促す。
78歳の女性。Alzheimer型認知症。物忘れが激しくなるに従い、何をするにも介護者である夫に頼り、そばを離れない状態となった。そのため、主治医にデイケアを勧められ、通所を開始した。在宅での生活を継続させるために作業療法で優先するのはどれか。
1: 体力の維持
2: 不安の軽減
3: 合併症の予防
4: 対人交流の拡大
5: ストレスの発散
68歳の男性。アルツハイマー型痴呆。数年前から道で迷ったり、電話できちんと受け答えしたのに、その内容を家人に伝えられなかったりした。最近では夜間になると興奮して動き回り、昼間はうとうとしている。半年ぶりに会った息子に初対面の人に挨拶するように対応したため、家人が心配して受診させ入院に至った。この患者に当てはまらないのはどれか。
1: 地誌的障害
2: せん妄
3: 失語
4: 記銘力障害
5: 人物誤認
35歳の女性。統合失調症。デイケアの就労準備プログラムに参加している。普段は生真面目で穏やかな性格であったが、3週前から些細なことでいら立ち怒り出すようになった。悪化の原因を理解することを目的とした面接において、担当の作業療法士が優先して確認すべき項目はどれか。
1: 食欲
2: 服薬状況
3: 家族の問題
4: 就労に向けた不安
5: デイケアの人間関係
68歳の男性。アルツハイマー型痴呆。数年前から道で迷ったり、電話できちんと受け答えしたのに、その内容を家人に伝えられなかったりした。最近では夜間になると興奮して動き回り、昼間はうとうとしている。半年ぶりに会った息子に初対面の人に挨拶するように対応したため、家人が心配して受診させ入院に至った。作業療法の導入で適切でないのはどれか。
1: 単純で繰り返しの多いものから始める。
2: 時間を要するものから始める。
3: 個別プログラムから始める。
4: 自信が得られるものから始める。
5: 得意であったものを取り入れる。
17歳の女子。統合失調症。授業中に突然叫び声をあげ、教科書と筆記用具を窓から投げ捨てた。両親が付き添い精神科病院に入院し、陽性症状の落ち着いた3週目に退院となり、精神科ショートケアに紹介された。通所2か月目から復学に向けた支援を開始した。適切でないのはどれか。
1: 心理教育に参加させる。
2: 特別支援学校に転校させる。
3: 再発防止プランを作成させる。
4: 修業年限の延長を視野に入れた計画を立てる。
5: 担当教師、家族および本人を交えたケア会議を開催する。
30歳の男性。統合失調症。3週前に工場で働き始めた。外来作業療法ではパソコンを使用した認知リハビリテーションを継続している。ある時、同じ作業療法に参加する2人の患者から同時に用事を頼まれ、混乱した様子で相談に来た。この患者の職場における行動で最もみられる可能性があるのはどれか。
1: 挨拶ができない。
2: 心気的な訴えが多い。
3: 体力がなく疲れやすい。
4: すぐに仕事に飽きてしまう。
5: 仕事の段取りがつけられない。
42歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。25歳時に「お前は泥棒だ」という声が聞こえるようになり初回入院した。今回も幻聴と被害妄想が出現し3回目の入院。入院5週目で病状は落ち着き作業療法が依頼された。疲れやすさと抑うつ傾向が目立つ。この時点で、作業適用を決める上で優先度の低いのはどれか。 ア.対人刺激の量イ.作業の難易度ウ.本人の希望エ.幻聴の有無オ.退院後の生活
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
32歳の女性。統合失調症。デイケアに通所しているが、いつも人を避けるように過ごしていることが多い。スタッフが面談の中でその理由を尋ねると「会話をしていると、途中から何を話しているのか分からなくなります。それが恐くて人と話をする自信がないです」と訴えた。この患者の症状の評価で最も適切なのはどれか。
1: GAF
2: BADS
3: WCST
4: Rehab
5: BACS-J
66歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。疾患として考えられるのはどれか。
1: Creutzfeldt-Jakob病
2: Alzheimer型認知症
3: Lewy小体型認知症
4: 意味性認知症
5: 正常圧水頭症
22歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。高校1年時にうつ状態で3か月入院した。その後、毎年入退院を繰り返し5回目の入院となった。入院後1か月が経過したが、自発性の減退および引きこもりがみられる。また「私の結婚相手を姉に取られた。私の考えがすべて他人に分かってしまい自分がなくなってしまうみたいで困る。他人の声が左の頭に聞こえる。」と訴えている。その時点で作業療法が処方された。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
1: 姉の結婚に対する気持ちを聞く。
2: 日常生活の過ごし方について話し合う。
3: 作業種目について希望を聞く。
4: 参加の意思について聞く。
5: 病棟での他の患者との交流について話を聞く。
20歳の男性。統合失調症。専門学校に通っていたが、いじめをきっかけに引きこもる生活となった。次第に容姿を批判される幻聴が生じ、不穏興奮状態となって精神科に入院した。3週後、不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが、抑うつ気分の訴え、睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた。この患者の回復指標として適切なのはどれか。
1: 億却さを訴える。
2: 発語が減少する。
3: 退屈感を訴える。
4: 異常体験を訴える。
5: 作業手順が混乱する。
81歳の女性。多発性脳梗塞と心不全を併発したため入院した。日中に家族がいるときはしっかりしているが、夜間には「大きな声を出す」、「窓から外に出ようとする」、「服を脱ぐ」などの行為が見られるようになった。この患者の病態で考えられるのはどれか。
1: 昏迷
2: せん妄
3: 多幸症
4: 不安発作
5: 抑うつ状態
79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。
1: 詩吟
2: 洋裁
3: 計算ドリル
4: 献立づくり
5: 立体パズル
23歳の女性。統合失調症。短大卒業後、事務員として働いていた。職場の同僚に噂されていると上司に訴えるなど、被害関係妄想が強まり精神科に紹介され入院となった。薬物療法で精神症状は治まり、2週目に作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 職場復帰に向けての訓練
2: 他患者との場の共有
3: 対人交流技能の訓練
4: 金銭管理の練習
5: リラクセーション
52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころから入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動がみられたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での作業種目で適切なのはどれか。
1: 散歩
2: 革細工
3: パソコン操作
4: バレーボール
5: 院内新聞の編集
27歳の男性。統合失調症。大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから、眠れない日が続き、急に怒り出すこともあった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり入院した。1週後、症状が徐々に落ち着いてきた時点で作業療法が開始された。この時点での作業療法の目的で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 自信の回復
2: 役割の遂行
3: 安心感の提供
4: 対人関係の改善
5: 生活リズムの回復
50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。この患者の行動で予想されるのはどれか。
1: 円滑な対人関係
2: 共感的な感情表出
3: 柔軟な判断
4: 高い目標設定
5: 熟慮した上での行動
24歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。「死ね」という幻聴があり、自室に閉居して食事をとらなくなったため入院した。入院後、幻聴は軽減したが、不安が強く対人関係を避けて横になっていることが多い。入院3週目に対人関係の改善を目的に作業療法が処方された。この時点で協同で行える作業種目はどれか。
1: 模造紙大のタイルモザイク
2: 10枚組みの陶板絵
3: 画用紙大のはり絵
4: 10枚組みのキルト
5: テレビゲーム
48歳の女性。20歳代で夫が亡くなり1人で子どもを育てた。子どもが就職し家を離れたころから意欲が低下し、気分が落ち込むようになった。精神科外来に通院していたが、今回、食欲不振が続いたため入院となった。入院後3週経過し作業療法が開始された。この患者の作業療法実施上の留意点で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 楽しみを見つける。
2: 早期の就労を促す。
3: 自殺企図に注意する。
4: 身辺処理能力を高める。
5: 過去の生活課題を振り返る。