第35回午前第26問の類似問題

第55回午後:第19問

28歳の男性。統合失調症で6か月前に精神科病院に措置入院歴がある。その後退院し、自治体による退院後支援計画に基づいて外来でフォローされていたが、2か月前から抗精神病薬の服薬が不規則になり、幻聴の増悪がみられた。自傷行為はなく、家族をはじめ周囲の人間に対して手をあげるようなことはないが「薬は飲むな」という幻聴に左右されてこの1週間は全く服薬しておらず、一昨日から一睡もできていない。両親が「担当医に相談しよう」と勧めてなんとか外来受診をさせたが、精神保健指定医から入院を勧められてもかたくなに拒否を続けている。この患者の現在の状況において適切な入院形態はどれか。  

1: 任意入院

2: 応急入院

3: 医療保護入院

4: 緊急措置入院

5: 医療観察法による入院

  • 答え:3
  • 解説:この患者は自傷他害行為がなく、本人の同意が得られないが家族の同意が得られる状況であるため、医療保護入院が適切な入院形態となります。
  • 任意入院は、入院を必要とする精神障害者で、入院について本人の同意がある者が対象となる。この患者は、本人の同意が得られないため、適応外である。
  • 応急入院は、入院を必要とする精神障害者で、任意入院を行う状態になく、急速を要し、家族等の同意が得られない者が対象となる。この患者の家族は、患者に治療を勧めていることから、家族等の同意は得られると考えられるため、適応外である。
  • 医療保護入院は、入院を必要とする精神障害者で、自傷他害の恐れはないが、任意入院を行う状態にない者が対象となる。精神保健指定医(または特定医師)の診察と家族等のうちのいずれかの者の同意が必要である。この患者は、自傷他害のおそれがなく、入院に対する本人の同意は得られないが、家族などの同意が得られると考えられるため、医療保護入院の適応となる。
  • 緊急措置入院は、入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者が対象となる。急速な入院の必要性があることが条件で、指定医の診察は1名でよいが、入院期間は72時間以内に制限される。この患者は、自傷他害のおそれがないため、適応外である。
  • 医療観察法による入院は、心神喪失または心神耗弱の状態で、重大な他害行為(殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ、傷害)を行った者が対象である。この患者は、重大な他害行為は行っていないため、適応外である。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第41回午前:第36問

13歳の女子。中学に入学してから頭痛などを理由に欠席が多くなり、2学期からは不登校となった。自宅で母親への暴力がみられるようになったため、精神科を受診し外来作業療法に通うこととなった。この患者への対応で適切でないのはどれか。  

1: 作業療法場面の見学をさせ作業療法の利用法を一緒に考える。

2: 家族や教師との連絡が必要な場合は事前に本人の了解を得る。

3: 嫌なことは無理に話したり行ったりしなくてよいことを保証する。

4: 作業療法に毎日通えるようになることを目指す。

5: 本人の希望や要求を可能な範囲で取り入れる。

第40回午前:第37問

25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。  

1: 状況対応力の低さ

2: 過度の緊張

3: 不安の発現

4: 複雑部分発作の前兆

5: 注意集中の困難

第36回午前:第80問

作業療法における慢性期精神分裂病(統合失調症)患者の特徴でないのはどれか。  

1: 持続力に乏しい。

2: リズムに乗りにくい。

3: とっさの判断に戸惑う。

4: 周囲の患者に干渉しやすい。

5: 作業手順に慣れるのに時間がかかる。

第34回午前:第84問

妄想型精神分裂病(統合失調症)患者における作業療法の導入で適切でないのはどれか。 ア.妄想の内容について患者と話し合う。イ.短時間の集中でもできる作業を選択する。ウ.受容的な場を設定する。エ.集団所属感が得られる場を設定する。オ.妄想の軽減を目標に設定する。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第45回午後:第43問

統合失調症の思考障害に対する作業療法上の留意点で正しいのはどれか。  

1: 1. 工程数を増やす。

2: 2. 集団作業を中心に行う。

3: 3. 言語による指示を多くする。

4: 4. 枠組みの明確な作業を選ぶ。

5: 5. 結果が作品として残らない作業を選ぶ。

第54回午前:第16問

17歳の男子。自閉症。自分なりの特定のやり方にこだわり融通が利かず、臨機応変に振る舞えずに失敗体験を積み重ね、自尊感情が著しく低下している。この常同性に関わる特性を踏まえた上での作業療法上の配慮として、最も重要なのはどれか。  

1: 静かな環境で作業する。

2: 用件は具体的に伝える。

3: 図や表を用いた説明を行う。

4: 1つずつ段階を踏んで作業する。

5: 予定変更がある時は前もって伝える。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、自閉症の患者に対して作業療法上の配慮が求められています。自閉症の患者は、常同性により臨機応変に対応できないことが多く、予定変更がある場合には前もって伝えることが重要です。
  • 静かな環境で作業することは、感覚過敏な自閉症患者に有効ですが、この問題では常同性に関わる配慮が求められているため、選択肢1は正解ではありません。
  • 用件を具体的に伝えることは一般的に良い方法ですが、この患者の場合、臨機応変に振る舞えないため、選択肢2は正解ではありません。
  • 図や表を用いた説明は、言語能力が低く図形認識が損なわれていない場合に有効ですが、この患者の場合、特定のやり方にこだわるため、必ずしも図や表を用いた説明がよいとは言えません。選択肢3は正解ではありません。
  • 1つずつ段階を踏んで作業することは、失敗体験を繰り返さないための配慮として行われますが、この患者にはあらかじめ変更について伝える配慮が必要であるため、選択肢4は正解ではありません。
  • 自閉症患者には、常同性に配慮する必要があります。予定の変更などに臨機応変に対応できず、混乱を生じることがあるため、予定変更がある場合には前もって伝えることが重要です。選択肢5が正解です。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第45回午後:第42問

亜急性期の統合失調症患者に対する作業療法の目的で正しいのはどれか。  

1: 1. 自己能力の限界を知る。

2: 2. 作業遂行能力を改善する。

3: 3. 対人交流技能を改善する。

4: 4. 社会資源の利用を援助する。

5: 5. 基本的な生活リズムを回復する。

第35回午前:第85問

精神分裂病(統合失調症)の作業療法でみられないのはどれか。  

1: 判断が一面的になりやすい。

2: 物事への関心が低い。

3: 対人関係の距離が混乱しやすい。

4: 物事の全体的把握が苦手である。

5: 一つの作業に長時間没頭する。

第57回午後:第17問

43歳の女性。うつ病。半年前に子供が1人暮らしを始めてから気分が落ち込み、布団で寝たままでいることが増えた。家事を夫が行うようになると、「夫に迷惑をかけている自分は生きている価値がない」と口にするようになり、夫に連れられ精神科クリニックを受診した。服薬治療が開始され、症状が改善してきたため外来作業療法が処方された。導入時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。  

1: スケジュール表に従った参加を促す。

2: 枠組みのある構成的作業を導入する。

3: 患者が作製した作品について賞賛する。

4: 意欲の低下が認められても作業遂行を促す。

5: 体調とともに気分も改善するため心配ないと励ます。

第35回午前:第35問

68歳の女性。アルツハイマー型痴呆。最近、臥床傾向が強くなり、抑うつ的で食事・入浴などに拒否的となり入院した。入院後約2週で臥床傾向も改善し始め、食事・入浴などは拒否せず誘導に応じるようになった。作業療法の内容設定で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.変化に富んだ設定イ.複数の課題のある設定ウ.刺激を制限した設定エ.安心感のある設定オ.手順の多い設定  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第45回午後:第16問

27歳の男性、大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから眠れない日が続き、急に怒り出すようになった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり、統合失調症と診断されて入院した。入院後1週で症状が徐々に落ち着いてきたため作業療法が開始された。この時点での作業療法の目的で適切なのはどれか。  

1: 自信の回復

2: 気分の安定

3: 役割の遂行

4: 社会資源の利用

5: 対人関係の改善

第52回午後:第44問

急性期を脱した後、まだ外的刺激への敏感さが残る統合失調症患者の作業療法導入時の対応で適切なのはどれか。  

1: 役割を付与する。

2: 対人交流を促す。

3: 定期的な実施を心がける。

4: 複数の作業療法士で対応する。

5: 退行的行動に対しては関与を控える。

第37回午前:第37問

25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この患者が作業療法中に希死念慮を漏らすようになった。対応として適切でないのはどれか。 ア.苦悶の気持ちを聴くようにする。イ.課題を一緒に考えていく姿勢を示す。ウ.作業療法を中止する。エ.希死念慮の背景を説明する。オ.主治医に報告する。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第57回午前:第14問

32歳男性。統合失調症。入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている。この患者に対する作業面接で、オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか。

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第45回午後:第17問

48歳の女性。うつ病。教育熱心な母親としてパート勤務をしながら2人の娘を育てた。娘達が家を離れた頃から何もする気がなくなり、抑うつ状態となった。希死念慮がみられたため夫に付き添われて精神科を受診し入院となった。「何かしていないと落ち着かない」と訴えたため入院後5日目から作業療法が開始された。作業療法開始時の評価項目で適切なのはどれか。  

1: 対人関係

2: 作業経験

3: 自己評価

4: 知的機能

5: 職業興味

第56回午後:第44問

統合失調症について正しいのはどれか。  

1: 症状寛解後は薬物治療を中止する。

2: 家族心理教育を行うことで再発率が低下する。

3: 精神病未治療期間の長短は予後と無関係である。

4: 服薬自己管理の練習は急性増悪期から開始する。

5: 障害者試行雇用〈トライアル雇用〉の対象にはならない。

  • 答え:2
  • 解説:統合失調症は、継続的な治療が必要な精神疾患であり、家族心理教育を行うことで再発率が低下することが知られています。また、精神病未治療期間や服薬自己管理の練習のタイミング、障害者試行雇用の対象についても理解が必要です。
  • 選択肢1は間違いです。統合失調症の薬物治療は、症状が寛解しても中止せず、継続することが推奨されています。症状が再燃するリスクがあるためです。
  • 選択肢2は正しいです。家族心理教育を行うことで、統合失調症の再発率が低下するとされています。家族が患者の病状や治療について理解し、サポートすることが重要です。
  • 選択肢3は間違いです。精神病未治療期間は、短い方が予後が良いとされています。早期に適切な治療を受けることが、統合失調症の予後改善につながります。
  • 選択肢4は間違いです。服薬自己管理の練習は、急性増悪期ではなく、症状が落ち着いてから行われることが一般的です。患者が自分の病状を理解し、適切な服薬管理ができるようになることが目的です。
  • 選択肢5は間違いです。統合失調症の患者も障害者試行雇用〈トライアル雇用〉の対象となります。これにより、患者が働く機会を得られることで、社会復帰や生活の質の向上が期待されます。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第57回午前:第13問

22歳の女性。幼少期に両親と死別したが、祖父母の支援などで問題なく学校生活を過ごした。学業成績は良かったが、感情が不安定で自傷行為を繰り返し、精神科クリニックに通院しながら高校を卒業した。卒業後は事務職として就職したが、感情が不安定でしばしばトラブルを起こした。最近、些細なことで友人と喧嘩になり、激怒して大量服薬して入院となった。入院後、早期に作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。  

1: 完璧主義

2: 作為体験

3: 衝動行為

4: 脱力発作

5: 振戦せん妄

  • 答え:3
  • 解説:この患者は感情が不安定で自傷行為や衝動行為が見られるため、境界性パーソナリティー障害が予想されます。
  • 完璧主義は全か無か思考とも言われ、うつ病の患者に見られる特徴です。この患者の症状とは一致しません。
  • 作為体験は、他者や外部の力によって自分の意志とは無関係に行動や感情が操られていると感じる症状で、統合失調症に見られます。この患者の症状とは一致しません。
  • 衝動行為は、感情のコントロールができずに突発的な行動をとることで、境界性パーソナリティー障害の特徴的な症状の一つです。この患者の症状と一致します。
  • 脱力発作は、突然の筋力喪失による倒れる症状で、睡眠障害の一種であるナルコプレシーに見られます。この患者の症状とは一致しません。
  • 振戦せん妄は、手足の震えや錯乱状態を伴う症状で、アルコールの離脱症状の一つです。この患者の症状とは一致しません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第39回午後:第74問

統合失調症(精神分裂病)について誤っているのはどれか。  

1: 多くが30歳までに発症する。

2: 発病率は女性の方が高い。

3: 患者の子供での発病率は一般人口の発病率よりも高い。

4: 我が国では精神科入院患者に占める割合が最も多い。

5: 再発予防には薬物療法が必要である。

第55回午後:第20問

45歳の男性。統合失調症。外来治療を受けながら母親と2人で暮らしている。3年前までは仕事に就いていたが、職場での対人関係がうまくいかず症状が悪化し退職した。現在は精神症状は落ち着き、ADLは自立し生活リズムも整っている。一般就労を希望し、作業療法士に相談した。この時点で患者が利用する障害福祉サービスとして適切なのはどれか。  

1: 自立訓練

2: 共同生活援助

3: 就労移行支援

4: 就労定着支援

5: 就労継続支援B型

  • 答え:3
  • 解説:この患者はADLが自立し、生活リズムも整っており、一般就労を希望しているため、就労移行支援が適切な障害福祉サービスとなります。
  • 自立訓練は、自律した日常生活や社会生活が送れるように、一定期間、身体機能の維持・向上や生活能力の維持・向上のための支援や援助を行うものですが、この患者はすでにADLが自立しているため、適切ではありません。
  • 共同生活援助は、夜間や休日に共同生活を行う住居で、相談、入浴、排泄、食事の介護、日常生活上の援助を行うものですが、この患者はADLが自立しており、生活リズムも整っているため、適切ではありません。
  • 就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの一つで、一般企業への就職を希望する者に対し、就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練、求職活動に関する支援などを行うものです。この患者は一般就労を希望しており、利用期間も原則2年以内に制限されているため、適切なサービスです。
  • 就労定着支援は、就労に伴う生活面の課題に対応できるよう、事業所や家族との連絡調整などの支援を一定の期間にわたり行うサービスですが、この患者はまだ就労していないため、適切ではありません。
  • 就労継続支援B型は、現時点で一般企業への就職が不安・困難な者が対象で、雇用契約を結ばずに就労訓練を行えるものですが、この患者は一般就労を希望しているため、適切ではありません。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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