身体表現性障害の患者に対する作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
1: 受容的・支持的に関わる。
2: 矛盾する身体症状の理由を話し合う。
3: 葛藤解決や対処方法を話し合う。
4: アンビバレンツな言動を許容する。
5: 心理的距離を保つ。
統合失調症(回復期前期)の患者に対する作業療法導入時の面接場面で適切なのはどれか。
精神分裂病(統合失調症)患者の作業場面で観察されるのはどれか。2つ選べ。 ア.注意の狭さイ.疲れやすさウ.興味の拡散エ.探索行動オ.他者への介入
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
70歳の男性。アルツハイマー型認知症。約1年前、家族に言動を注意されてからふさぎ込んだ。それ以来、家族との会話も少なくなった。最近、財布の置き場所を忘れたり、お湯を沸かそうとしてガスをつけたまま外出してしまうことが目立つようになった。1か月前、買い物に行ったまま自宅への帰り道がわからなくなり保護され入院した。作業療法の初期プログラム設定で適切でないのはどれか。
1: 患者の生活史を重視する。
2: 個別訓練から始める。
3: 自信が得られるようにする。
4: 作業には変化をつける。
5: 安心感のもてる作業環境をつくる。
53歳の男性。理容師。先輩からの勧めで同業者組合の役員となってから、生来の気の弱さも手伝って飲酒量が増え、仕事ができなくなり入院した。振戦せん妄もおさまり作業療法が処方された。初回面接時の観察で重要なのはどれか。2つ選べ。
1: 記銘力
2: 見当識
3: 眼球運動
4: 手指巧緻性
5: 言語流暢性
身体表現性障害の患者に対する作業療法で最も適切なのはどれか。
1: 現実検討能力を高める。
2: 不安な気持ちを解釈する。
3: 集団作業療法を基本とする。
4: 対人関係能力の向上を図る。
5: 感情表現を促す活動を提供する。
32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者への作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 自殺企図に注意する。
2: 少量の飲酒を勧める。
3: 仕事を休むよう助言する。
4: 幼児期の体験を話題にする。
5: リラクセーションを指導する。
60歳の女性。主婦。発症後2か月の脳卒中右片麻痺。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIVである。認知的問題はない。表は患者が現時点で改善したいと考える活動とそれらの活動の重要さ、出来ばえ、現状の満足感を各々10点満点で 主観的に判断した結果を示す。この表から作業療法士がする判断で適切なのはどれか。
1: 「炊事」へのアプローチは満足感が得やすい。
2: 「買物」へのアプローチは成功体験が得やすい。
3: 「電話」へのアプローチは優先度が高い。
4: 列挙された活動のニーズは同等である。
5: 列挙された活動の意味と行い方を分析する。
境界性人格障害の患者に対する作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 集団作業への参加を促す。
2: 柔軟な枠組みを提供する。
3: 主観的体験内容を把握する。
4: 攻撃衝動の適応的発散を促す。
5: 退行を促進するようにかかわる。
精神科作業療法のインフォームドコンセントについて適切なのはどれか。
1: 作業種目を変更する場合の同意は必要ない。
2: 医療保護入院の入院患者は同意を得る必要はない。
3: 言語理解が困難な場合は誘導しながら同意を得る。
4: 活動内容の説明は良好な患者―治療者関係の構築に必要である。
5: 精神症状が重篤な場合は患者の同意よりも治療効果が優先される。
神経症性障害患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 心気症を示す患者では、レクリエーションや運動を促す。
2: 不安発作を示すときは、作業の中断を考慮する。
3: 過剰な不安を抱くときは、作業量を増やす。
4: 身体表現性障害では、身体機能改善を優先する。
5: 自己評価が低いときは、達成しやすい作業に変更する。
作業療法士が認知症患者の家族へ対応する上で適切でないのはどれか。
1: 家族に今までの介護経験を尋ねる。
2: 作業療法場面を見学させる。
3: 家族の健康状態を尋ねる。
4: 特定の人が介護を担うように指示する。
5: 家庭を訪問する。
境界型人格障害の患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 種目は患者に任せる。
2: 手順や結果が明確なものを選ぶ。
3: 枠組みのある作業を選ぶ。
4: 作業環境を一定にする。
5: 共同作業を勧める。
神経症性障害患者の作業療法で正しいのはどれか。
1: 心気症状への傾聴が重要となる。
2: 転換症状がある場合は行わない。
3: 強迫症状に対しては反復作業を用いる。
4: 不安発作が完全に消失するまで行わない。
5: 離人症状では自傷行為の可能性を考慮する。
76歳の女性。物忘れのために日常生活で失敗が目立った。最近、夫の浮気を疑うようになり、顔を合わせると興奮し物を投げるなどの行為がみられる。息子が誤りであることをいくら説明しても納得しない。この患者の精神症状を評価する尺度として適切なのはどれか。
1: HRS-D
2: NPI
3: POMS
4: SANS
5: SDS
33歳の男性。てんかん。IQ75。仕事を何度も変えている。母親への依存が強く何事も相談しないと始められない。発作再発で入院したが、処方薬の調整も済んで退院を目的として作業療法が開始された。開始して間もなく「口の中でコーヒーの味がしてくる」と訴えた。このときの対処で適切なのはどれか。
1: 作業を続けさせる。
2: 母親へ電話をかけさせる。
3: 横に寝かせて安静を保つ。
4: 緊張緩和のために話しかける。
5: 不快感をとるためにうがいをさせる。
82歳の女性。認知症。会社員の娘と認知症初期の夫との3人暮らしで、家族に介護されている。患者は興奮すると夫に暴言を吐き、物を投げつけ、不安が強くなると仕事中の娘に十数回電話する状況である。集団を嫌いデイサービスの利用は拒否していたため、訪問作業療法の指示が出た。まず行うべきなのはどれか。
1: 服薬指導
2: 家族への助言
3: 身体機能の維持
4: 趣味活動の拡大
5: 記憶障害の改善
70歳の男性。仕事における意欲と作業能率の低下を主訴に来院した。最近、物をよく置き忘れる、金庫の暗証番号を思い出せない、得意先にたどり着けないといったことが多くなってきた。頭部MRIを示す。この患者にみられる可能性が高い症状はどれか。
1: 幻覚
2: 尿失禁
3: 希死念慮
4: 症状日内変動
5: 地誌的見当識障害
25歳の女性。対人関係が不安定で、母親に甘えたかと思うと急に怒り出すなど、感情が変わりやすく、時に激しく落ち込むことが多かった。漠然とした不安感を訴え、自傷行為を繰り返すため精神科外来を受診し、入院することとなった。この患者にみられやすいのはどれか。
1: 空虚感
2: 躁状態
3: 思考制止
4: 離脱症状
5: 広場恐怖
13歳の男子。恐怖症性不安障害。父親の転勤で中学転校時から、漠然とした不安感情が表れるようになった。ある日、授業中に動悸や息切れがひどくなり発作性の震えが出現、養護教諭のすすめで精神科クリニックを受診した。その後、不安発作が激しくなり不登校の日が続いた。主治医・両親・患者・学校側との相談の結果、クリニック付設デイケアに参加することになった。デイケア開始時に治療者が留意する点で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 年齢を考慮し他のメンバーには紹介しない。
2: 年齢を考慮しプログラムはスタッフが決める。
3: 発作時の対処をスタッフ間で話し合う。
4: 患者と治療設定を確認し合う。
5: 不登校と発作の関係を聴く。