図は痙直型両麻痺を示す脳性麻痺児(GMFCSレベルⅢ)の長座位姿勢である。後方に倒れるのを防ぐため上体を起こそうと全身の筋緊張を強め努力している。その際に上肢に起こる連合反応として適切なのはどれか。
1: 肩甲骨の挙上
2: 肩関節の外転
3: 肘関節の伸展
4: 前腕の回外
5: 手関節の背屈
4歳10か月の男児。脳性麻痺。現在割り座であれば床上で座位保持が可能であり、椅子上での座位は自立している。立位は、物につかまれば保持できる。歩行には車輪付きの歩行器を利用しており、介助があれば階段を昇ることができる。Gross Motor Function Classification System(GMFCS)によるレベルはどれか。
1: レベルI
2: レベルII
3: レベルIII
4: レベルIV
5: レベルV
4歳の男児。痙直型両麻痺。GMFCS(gross motor function classification system)レベルⅢ。立位姿勢を図に示す。理学療法で適切なのはどれか。
1: 股関節内旋筋の促通
2: ハムストリングスの促通
3: 腹筋群と殿筋群の同時収縮の促通
4: 長下肢装具の使用
5: 両側T字杖の使用
62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩行障害が進行している。体幹失調が顕著で、下肢には協調運動障害があるが筋力は保たれている。歩隔をやや広くすることで左右方向は安定しているが、前後方向への振り子様の歩容がみられる。最近になって自力歩行が困難となり、理学療法で歩行器を用いた歩行を練習している。この患者の歩行器に工夫すべき点で適切なのはどれか。
1: サドル付型を用いる。
2: ピックアップ型を用いる。
3: 歩行器は軽量のものを選ぶ。
4: 上肢支持面の側方に重錘を装着する。
5: 上肢支持面は前腕部で支持できる高さにする。
65歳の男性。脳卒中左片麻痺。発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにII。左肩関節には1横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。座位は不安定で、体幹は患側前方へ傾く。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 患側下肢の随意運動の促通
2: 患側片肘立ちからの起き上がり練習
3: 座位での健側上肢体重支持の練習
4: 座位で両側への重心移動練習
5: 長下肢装具を用いた平行棒内立位練習
9歳の男児。デュシェンヌ型筋ジストロフィー。介助なしに歩行可能で、椅子からの立ち上がりも可能であるが、階段昇降はできない。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の筋力維持訓練
2: 体幹装具装着での歩行訓練
3: 下腿三頭筋の伸張運動
4: 四つ這い移動運動
5: 徒手的胸郭拡張訓練
5歳の男児。脳性麻痺。麻痺のタイプは痙直型両麻痺であり、図のように両手支持なしで座ることができる。この児で骨盤後傾を修正し、座位姿勢の改善を図るために最もストレッチが必要な筋はどれか。
1: ハムストリングス
2: 大腿筋膜張筋
3: 大腿直筋
4: 前脛骨筋
5: 薄筋
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。意識は清明。Brunnstrom法ステージは上下肢、手指いずれもIである。飲水でひどくむせている。この時期に行う作業療法で適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 嚥下障害に対して間接訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
生後8か月の乳児。運動発達の遅れがあり、療育施設にて理学療法を受けている。図のような姿勢を示す。優先して行う運動はどれか。
1: 寝返り
2: 膝立ち
3: 四つ這い
4: 立ち上がり
5: 免荷立位での交互振り出し
65歳の男性。右利き。左中大脳動脈領域の脳梗塞による右片麻痺。発症後3週経過した時点でBrunnstrom法ステージは上肢、手指および下肢ともにI。介助で膝立ち位をさせると体幹が前方へ崩れてしまう。バイタルサインは安定している。この患者に対する理学療法として適切なのはどれか。
1: 長下肢装具を装着した状態での立位訓練
2: 足継手付きプラスチック製短下肢装具を装着した状態での歩行訓練
3: 床からの立ち上がり訓練
4: 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
5: 浴槽への移乗訓練
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。評価により意識レベルはJCS(Japan Coma Scale)で1桁、ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにII、手指はIであった。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 座位での上肢帯のポジショニングの指導
2: 麻痺側の自動介助運動の指導
3: 臥位時の三角巾による上肢の固定方法の指導
4: 非麻痺手による物品操作の指導
5: 食事動作の指導
5歳の男児。脳性麻痺。麻痺のタイプは痙直型両麻痺であり、図のように両手支持なしで座ることができる。この児で予想される所見はどれか。
1: 鉛管様現象陽性
2: 膝蓋腱反射減弱
3: Galant反射陽性
4: 足クローヌス陽性
5: 非対称性緊張性頸反射陰性
脳血管障害回復期の患者。麻痺は上下肢ともにブルンストローム法ステージIIIで座位バランスは悪い。バランス反応と上肢分離運動促進とを目的に図に示すような自動介助運動をゆっくり繰り返した。このとき出現しやすいのはどれか。2つ選べ。ア.前方移動時に重心が後方に残る。イ.患側肩関節は外転位になる。ウ.患側肩甲帯は前方突出する。エ.患側股関節は内転位になる。オ.患側足関節は外反位になる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか。
1: 体幹の動揺は少ない。
2: 肩関節は内転位になりやすい。
3: 肘関節は伸展位になりやすい。
4: 股関節は内転位になりやすい。
5: 膝関節は伸展位になりやすい。
70歳の男性。身長180 cm、体重90 kg。脳梗塞のため麻痺肢に内反尖足がみられる。10 mであれば独歩可能であるが、軽度の分回し歩行となる。意識してゆっくりと歩けば分回しを軽減することは可能であるが、遊脚相の股関節屈曲は増加し立脚中期に膝過伸展がみられる。2動作前型で屋外歩行の自立を目標に理学療法を進めている。この患者に適切なのはどれか。
1: 装具は不要
2: 軟性足装具
3: プラスチック短下肢装具(ショートタイプ、継手なし)
4: プラスチック短下肢装具(つま先までの標準型、継手なし)
5: 金属支柱付短下肢装具
右半球損傷による全般性注意障害の片麻痺患者に対する初期の基本動作支援について正しいのはどれか。
1: 移乗動作の誤りを繰り返し修正する。
2: 杖歩行は複数人とすれ違う環境から開始する。
3: 車椅子駆動練習は外乱の少ない環境から開始する。
4: 寝返りにおける性急な動作は口頭指示で修正する。
5: 起き上がり動作は一連の動作を一度に口頭で指導する。
3歳の女児。痙直型脳性麻痺。多くの時間を図のような姿勢で過ごす。食事は経口主体であり、介護者が児を抱きかかえて行う。スプーンでペースト食を口に入れるが、一部は口から流れ出る。この3年間、肺炎などの呼吸器合併症はない。この児の上肢機能改善を図るための姿勢として適切でないのはどれか。
9歳の男児。Duchenne型筋ジストロフィー。独歩は可能だが、腹部を突き出し両肩を左右に振る動揺歩行と内反尖足とが顕著である。床からの立ち上がり動作では登はん性起立を示し、柱などにつかまればかろうじて立ち上がることができる。上肢に拘縮はなく、ゆっくりであるが両上肢を挙上することができる。この時期に行う理学療法士の対応で優先度が高いのはどれか。
1: 電動車椅子の購入を家族に提案する。
2: 下肢の漸増抵抗運動を行う。
3: 四つ這い移動の練習を行う。
4: 松葉杖歩行の練習を行う。
5: 体幹装具を装着させる。
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で誤っているのはどれか。
1: 体幹の側方動揺が大きい。
2: 股・膝関節の屈曲が大きい。
3: 股関節が内転位になりやすい。
4: 足先から接地する。
5: 上肢は伸展位をとる。
65歳の男性。脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した。Brunnstrom法ステージで上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅳ。認知機能と感覚とに障害はない。非麻痺側上肢に機能的な問題はない。短下肢装具を用いて屋内歩行が可能。作業療法で適切でないのはどれか。
1: 両手で用いたループ付きタオルによる洗体
2: 立位で左手を用いたズボンの引き上げ
3: 両手で頭上の高さの棚に衣類を収納
4: 左手を用いたテーブルの雑巾がけ
5: 両手を用いたタオルたたみ