65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。JCS(Japan coma scale)は1桁。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIであった。飲水でひどくむせていた。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 間接的嚥下訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
63歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後2か月。歩行時の立脚相に図のような現象を認めた。患側に対する理学療法で適切でないのはどれか。
1: 下腿三頭筋のタッピング
2: 前脛骨筋の治療的電気刺激
3: 短下肢装具を用いた歩行
4: 膝屈曲位での体重支持
5: 下腿後面のアイシング
機能障害と自助具との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 片側上肢の切断 − プルトップオープナー
2: 両側上肢の切断 − 台付きつめ切り
3: 一側上肢の運動麻痺 − ボタンエイド
4: 体幹バランスの低下 − 補高便座
5: 四肢麻痺 − 呼気スイッチ
脳卒中片麻痺者の応用歩行練習について麻痺側から行う場合が多いのはどれか。
1: エスカレーターに乗るとき
2: 低い障害物をまたぐとき
3: 急なスロープを上るとき
4: 階段を上るとき
5: バスに乗るとき
重度片麻痺患者に指導すべき動作方法はどれか。2つ選べ。
1: 起き上がりは、非麻痺側に寝返ってから行う。
2: 階段を上るときは、麻痺側下肢、非麻痺側下肢の順とする。
3: ズボンを脱ぐときは、麻痺側下肢、非麻痺側下肢の順とする。
4: 立位から床に座るときは、非麻痺側上肢、同側膝の順に床につく。
5: エスカレーターから降りるときは、麻痺側下肢、非麻痺側下肢の順とする。
68歳の男性。妻と2人暮らし。脳血管障害による右片麻痺。発症後11か月経過。軽度の失語症と全身の持久力低下とがみられる。ブルンストローム法ステージは上肢III、手指II、下肢III。短下肢装具装着で介助歩行が可能である。住居は平屋の日本家屋である。家庭復帰を目的とした作業療法を実施することとなった。適切でないのはどれか。
1: 床からの立ち上がり動作の介助指導
2: ポータブルトイレへの移乗動作訓練
3: 下肢装具の着脱訓練
4: 上肢の自動介助運動の指導
5: 右手でのボタン着脱訓練
75歳の男性。脳卒中による左片麻痺。発症後6か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、下肢ともにⅢ。AFOとT字杖で屋内歩行は自立している。自宅浴室の現状の見取り図と環境整備案とを図に示す。環境整備案のうち最も必要性が低いのはどれか。
1: ①バスボードの利用
2: ②手すりの設置
3: ③折り戸への変更
4: ④段差の解消
5: ⑤シャワーチェアの利用
54歳の男性。脳卒中左片麻痺。足部に中等度の痙性があり、内反尖足位となっている。膝の上から圧迫を加えて装具を装着すると図のような状態となり、歩行練習の最後まで踵部が装具から離れることはない。装具のベルトをかける手順として適切なのはどれか。
1: A→B→C
2: A→C→B
3: B→A→C
4: B→C→A
5: C→A→B
脳卒中による片麻痺の上肢に対するCI療法(constraint-induced movement therapy)で正しいのはどれか。
1: 健側上肢を拘束する。
2: 慢性期例は適応とならない。
3: 理学療法士の近位監視下で行う。
4: 他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である。
5: 患側手指がBrunnstrom 法ステージⅡで適応となる。
脊髄損傷(完全麻痺)の機能残存レベルと可能なADLとの組合せで誤っているのはどれか。
1: 第5頸髄節-自助具を用いた食事動作
2: 第6頸髄節-下腹部叩打による排尿動作
3: 第7頸髄節-自動車の運転
4: 第6胸髄節-長下肢装具・松葉杖を用いての四点歩行
5: 第4腰髄節-短下肢装具・松葉杖を用いての屋外歩行
85歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。歩行練習中に下肢装具の条件を変えて歩行を比較したところ、底屈制動を軽減して中足足根関節部以遠の可撓性を高めることで歩幅が増加した。改善に影響を与えた麻痺側の主な歩行周期はどれか。
1: 荷重応答期
2: 立脚中期
3: 立脚後期
4: 遊脚中期
5: 遊脚後期
59歳の女性。脳梗塞発症2週目。左片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢III・手指IV・下肢III。重度の感覚障害と左半側空間無視を認める。上肢の分離運動がわずかに出現してきたが、左上肢の疼痛と手部の腫脹および熱感を訴えた。理学療法では、立位と歩行訓練が開始された。この時期の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 左上肢の疼痛に対してホットパック
2: 左上肢の随意性向上のためのサンディング
3: 歩行訓練時のアームスリング装着指導
4: プーリーを用いた左上肢の自動介助運動
5: 左手で机上の用紙を押さえての右手書字訓練
脳卒中片麻痺患者にみられる症状で転倒と関連が少ないのはどれか。
1: 痴呆
2: 深部感覚障害
3: 夜間せん妄
4: 視空間失認
5: 失語症
Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅳの片麻痺患者に対する上肢Ⅳを目指した座位での訓練課題はどれか。2つ選べ。
1: 腹部の前から非麻痺側大腿を触る。
2: 大腿上に置いた布をひっくり返す。
3: 大腿上に置いたお手玉を口元に近づける。
4: 机上のお手玉を肘伸展位で前方の肩の高さに移動する。
5: 机上のお手玉を肘伸展位で麻痺側側方の肩の高さに移動する。
脳卒中片麻痺の歩行訓練で阻害因子となりにくいのはどれか。
1: 半側空間無視
2: 表在感覚障害
3: 膝関節屈曲拘縮
4: 弛緩性麻痺
5: 疼痛
適切でない組合せはどれか。ただし、片麻痺は右で、ブルンストローム法ステージは上肢・手指の順。右利きとする。
1: II・II-非麻痺側での箸の練習をする。
2: III・IV-麻痺側で受話器を取って耳に当てる。
3: IV・V-麻痺側を調理の補助手として使う。
4: IV・V-手さげカバンを麻痺側肘にかける。
5: V・VI-両手で洗濯物を干す。
図は脳出血による左片麻痺患者の検査結果である。この結果から考えられる障害はどれか。
1: 同名半盲
2: 半側空間無視
3: 身体失認
4: 病態失認
5: 構成失行
脳血管障害回復期の患者。麻痺は上下肢ともにブルンストローム法ステージIIIで座位バランスは悪い。バランス反応と上肢分離運動促進とを目的に図に示すような自動介助運動をゆっくり繰り返した。このとき出現しやすいのはどれか。2つ選べ。ア.前方移動時に重心が後方に残る。イ.患側肩関節は外転位になる。ウ.患側肩甲帯は前方突出する。エ.患側股関節は内転位になる。オ.患側足関節は外反位になる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
脳卒中患者の摂食・嚥下障害で正しいのはどれか。
1: 水分よりゼリーで誤嚥しやすい。
2: 急性期より慢性期で高頻度に生じる。
3: 座位よりリクライニング位で誤嚥が少ない。
4: 片側の障害では非麻痺側に頸部を回旋する。
5: 食事中むせなければ誤嚥はないと判断できる。
片麻痺患者のADLで誤っているのはどれか。
1: 車椅子からベッドへの移乗は患側から近づく。
2: 椅子から立ち上がるときは健側下肢を後方に引く。
3: 階段は患側から降りる。
4: ズボンは患側からはく。
5: シャツは健側から脱ぐ。