脳卒中片麻痺患者の早期理学療法で正しいのはどれか。
1: 意識障害があれば座位姿勢はとらない。
2: 意識障害がなければ健側の自動運動を行う。
3: 半側空間無視があれば座位訓練は行わない。
4: 肩関節は関節可動域訓練を行わない。
5: 股関節は外旋位に保持する。
30歳の男性。アテトーゼ型脳性麻痺。頸椎症性脊髄症を発症し、歩行不能となった。電動車椅子を導入し、練習開始後2週で施設内自走が可能となったが、壁への衝突等があるために見守りが必要である。上肢操作向上を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
1: 貼り絵をする。
2: 木工で鋸を使う。
3: ドミノを並べる。
4: 版画で彫刻刀を使う。
5: 革細工でスタンピングをする。
65歳の男性。脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した。Brunnstrom法ステージで上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅳ。認知機能と感覚とに障害はない。非麻痺側上肢に機能的な問題はない。短下肢装具を用いて屋内歩行が可能。作業療法で適切でないのはどれか。
1: 両手で用いたループ付きタオルによる洗体
2: 立位で左手を用いたズボンの引き上げ
3: 両手で頭上の高さの棚に衣類を収納
4: 左手を用いたテーブルの雑巾がけ
5: 両手を用いたタオルたたみ
63歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後2か月。歩行時の立脚相に図のような現象を認めた。患側に対する理学療法で適切でないのはどれか。
1: 下腿三頭筋のタッピング
2: 前脛骨筋の治療的電気刺激
3: 短下肢装具を用いた歩行
4: 膝屈曲位での体重支持
5: 下腿後面のアイシング
疾患と歩行補助具との組合せで適切でないのはどれか。
1: 脳卒中片麻痺-T字杖
2: 脊髄小脳変性症-交互型歩行器
3: 痙直型両麻痺-ロフストランド杖
4: 慢性関節リウマチ-プラットフォーム杖
5: パーキンソン病-四点杖
9歳の男児。注意欠如・多動性障害。放課後デイサービスに通所している。鼻歌を唄ったり足を動かしたりとじっとしていることが苦手で、勉強の時間に立ち歩いたり他児にちょっかいを出したりすることでトラブルになった。指導員から注意されると感情的になり、暴れる行動が頻回にみられた。教科書や提出物の忘れ物も多い。この児に対する治療的な対応で適切なのはどれか。
1: トラブルの原因を考えさせる。
2: 運動を取り入れて体を動かす。
3: 他児との交流は最小限に留める。
4: じっとしておく取り決めをする。
5: 感情的になっても介入しないでおく。
8歳の男児。自閉症。小学校に入学後、好きな算数以外の授業中に奇声をあげるようになった。家ではこだわり行為を制する母親に暴力を振るうようになり、養護教諭の勧めで児童・思春期外来を受診した。受診後すぐに作業療法が開始された。患児の行動で予測されるものはどれか。2つ選べ。
1: 質問し終わる前に答え始める。
2: 話しかけに応じない。
3: 同じことを繰り返し聞いてくる。
4: しゃべり続ける。
5: 他者の邪魔をする。
59歳の女性。脳梗塞発症2週目。左片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢III・手指IV・下肢III。重度の感覚障害と左半側空間無視を認める。上肢の分離運動がわずかに出現してきたが、左上肢の疼痛と手部の腫脹および熱感を訴えた。理学療法では、立位と歩行訓練が開始された。この時期の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 左上肢の疼痛に対してホットパック
2: 左上肢の随意性向上のためのサンディング
3: 歩行訓練時のアームスリング装着指導
4: プーリーを用いた左上肢の自動介助運動
5: 左手で机上の用紙を押さえての右手書字訓練
脳性麻痺児のADLで適切でないのはどれか。
1: 座位は腹臥位→四つ這い位→座位の順で行うのが容易である。
2: 痙直型では割り座位が安定するので奨励する。
3: 痙直型では男子用トイレでは体幹支持バーが介助に有効である。
4: アテトーゼ型では滑り止めマットなどで食器を固定すると良い。
5: アテトーゼ型では足で蹴って車椅子駆動を行う。
適切でない組合せはどれか。
1: 伸展パターンの強い痙直型脳性麻痺児-床に腰をおろした更衣指導
2: 非対称性姿勢の強いアテトーゼ型脳性麻痺児-正中位保持での食事指導
3: 筋緊張の低いダウン症児-前傾したバランスボードを用いた立位での遊び
4: 点頭てんかん児-電動車椅子の操作指導
5: 体幹変形を生じた重症心身障害児-座位保持装置の使用
65歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後3か月経過。歩行は自立しているが、痙縮が強く内反尖足と反張膝を示す。理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。 ア.ハムストリングスの持続的伸張イ.大腿四頭筋の筋力増強ウ.膝関節軽度屈曲位での体重支持エ.下腿三頭筋の持続的伸張オ.足関節背屈筋群のタッピング
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
75歳の男性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。右短下肢装具を装着し四脚杖を使用して介助なく20 mまでの歩行が可能である。食事は左手で普通のスプーンやフォークを使用して介助なく可能だが箸は使えない。歩行と食事のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか。
1: 歩行6点 ― 食事5点
2: 歩行6点 ― 食事6点
3: 歩行5点 ― 食事6点
4: 歩行5点 ― 食事7点
5: 歩行4点 ― 食事7点
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。意識は清明。Brunnstrom法ステージは上下肢、手指いずれもIである。飲水でひどくむせている。この時期に行う作業療法で適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 嚥下障害に対して間接訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
9歳の男児。自閉症。外来通院時に作業療法を実施することとなった。作業療法室では落ち着きなく歩き回り、周囲の物音や人の数などの環境の変化によって自分の手を噛んだり、手で頭を打ったりすることがある。紙折りに取り組ませてもごく短時間しかできない。作業中に観察される行動はどれか。
1: 作業療法士の行動をまねる。
2: 失敗を修正しようとする。
3: 紙をクルクルと回し続ける。
4: 作品の出来映えにこだわる。
5: 作業療法士に援助を求める。
小児疾患と理学療法との組合せで適切でないのはどれか。
1: ペルテス病-水中歩行訓練
2: 血友病-関節可動域訓練
3: 筋性斜頸-徒手矯正
4: 先天性内反足-装具療法
5: 二分脊椎-交互式歩行装具
10歳の男児。学業成績は中位だが授業中に落ちつきがなく、隣の子に一方的に話しかける、落書きをする、忘れ物をするなどでよく注意を受けていた。片付けも苦手で自室は乱雑であった。心配した母親と共に精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この男児に対する作業療法での対応で適切なのはどれか。
1: 小集団活動に導入する。
2: 強い口調で指示を伝える。
3: ほめずに見守りを重視する。
4: 作業手順を詳細に説明する。
5: 問題行動には触れずにおく。
14歳の男子。デュシェンヌ型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班機能障害度分類による)。座位保持可能。理学療法として適切でないのはどれか。
1: 座位保持装置の製作
2: 体幹のストレッチング
3: 横隔膜強化の呼吸訓練
4: 四つ這いでの床上移動訓練
5: キーボードを利用した手指機能訓練
13歳の男子。現在、Duchenne型筋ジストロフィーのステージ6(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による。)。学校生活を送る上で優先的に行う支援はどれか。
1: 歩行器の導入
2: 給食の食形態変更
3: 長下肢装具の導入
4: 電動車椅子の導入
5: トイレの手すり設置
脳性麻痺の運動療法で誤っているのはどれか。
1: 痙直型片麻痺では患側の連合反応を強化する。
2: 痙直型両麻痺では両下肢のキッキング(蹴り運動)を促す。
3: 痙直型四肢麻痺では関節に体重負荷刺激を与える。
4: アテトーゼ型では同一の運動パターンを繰り返し行う。
5: 弛緩型では同時収縮を促すよう刺激を与える。
脳性麻痺で正しいのはどれか。
1: アテトーゼ型では下肢より上肢の支持性が良い。
2: アテトーゼ型では初期は低緊張である。
3: 痙直型では出生直後から筋緊張が亢進する。
4: 痙直型両麻痺では下肢より上肢の麻痺が重度である。
5: 痙直型片麻痺では上肢より下肢の麻痺が重度である。