理学療法士問題表示
理学療法士国家試験
生理学(消化・吸収・排泄系)
解説
排便機構に関する知識を確認する問題です。正しい選択肢は、外肛門括約筋が陰部神経支配であることを示す選択肢2です。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。排便中枢は第2~4仙髄に存在し、胸髄ではありません。
選択肢2は正しいです。外肛門括約筋は陰部神経(体性神経)支配であり、排便の際に意識的に制御することができます。
選択肢3は間違いです。逆蠕動運動は上行結腸上端から盲腸にかけて見られ、内容物を停滞させて水分の吸収を促します。下行結腸では通常の蠕動運動が見られます。
選択肢4は間違いです。便意は直腸壁が伸展されることで生じます。食物によって胃が拡張されると、大腸の蠕動運動が促通(蠕動反射)されますが、直接的に便意を生じさせるわけではありません。
選択肢5は間違いです。内肛門括約筋は交感神経で収縮し、副交感神経で弛緩します。副交感神経の緊張では収縮しません。
解説
胆汁は肝臓で生成され、胆嚢に貯められる。食物の摂取によって分泌が増加し、脂質の消化と吸収を促進する。また、体内代謝物質や外来物質の排泄にも関与する。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。胆汁は脂肪の吸収を抑制するのではなく、脂質の消化と吸収を促進する働きがあります。
選択肢2は間違いです。胆汁には消化酵素が含まれませんが、消化酵素の働きをサポートする役割があります。
選択肢3は正しいです。胆汁は食物の摂取によって分泌が増加し、脂質の消化と吸収を促進する働きがあります。
選択肢4は間違いです。胆汁酸塩の大部分は小腸で再吸収され、肝臓に戻されることから腸肝循環と呼ばれます。
選択肢5は間違いです。胆汁は肝臓で生成され、胆嚢に貯められる。胆嚢は胆汁を貯める役割がありますが、胆汁を生成するのは肝臓です。
解説
胃での栄養素の消化・吸収に関する問題です。胃では主に蛋白質の消化が行われ、脂質や糖類の消化はほとんど行われません。また、胃内の停滞時間は栄養素の種類によって異なります。
選択肢別解説
ペプシンは蛋白質をペプトンに分解する酵素であり、脂質の分解はリパーゼによって行われるため、この選択肢は間違いです。
セクレチンは十二指腸粘膜から分泌され、膵液の分泌促進と胃液の分泌抑制を行うホルモンです。胃液分泌を促進するのではなく、抑制するため、この選択肢は間違いです。
内因子は胃壁細胞によって作られる糖蛋白質で、ビタミンB12の吸収に関与する。ビタミンB6ではなく、ビタミンB12の吸収に関与するため、この選択肢は間違いです。
胃内の停滞時間は糖質<蛋白質<脂質の順に長くなるため、糖類よりも脂肪の方が長い。脂質は胃運動を抑制するため、停滞時間が他の栄養素と比較して長い。この選択肢は正しいです。
胃液分泌の増加は、食物が口腔内に入ると反射的に起こる。食物が胃に到達してからではなく、口腔内に入るときに起こるため、この選択肢は間違いです。
解説
排便機構は、横隔膜の収縮、腹圧の上昇、内肛門括約筋の弛緩、直腸平滑筋の収縮などが関与し、副交感神経の骨盤神経と体性神経の陰部神経が主に関与している。正しい選択肢は、直腸壁が加圧されると骨盤神経が刺激されるという選択肢4である。
選択肢別解説
選択肢1は間違いで、排便時には横隔膜が収縮し、腹圧を高めることで排便を促進する。
選択肢2は間違いで、排便に関与する神経は副交感神経の骨盤神経と体性神経の陰部神経である。下殿神経は大殿筋の支配神経であり、排便とは関係がない。
選択肢3は間違いで、排便時には内肛門括約筋が弛緩し、直腸平滑筋が収縮する。これにより、便が肛門へと押し出される。
選択肢4は正しい。直腸壁が加圧されると、副交感神経である骨盤神経が刺激され、排便機構が働く。
選択肢5は間違いで、直腸の収縮を促す神経伝達物質はアセチルコリンであり、アドレナリンではない。アドレナリンは交感神経の神経伝達物質であり、通常は直腸の収縮を抑制する働きがある。
解説
咀嚼筋は、主に顎を動かすことで食物を咀嚼するための筋肉で、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4つが含まれます。この問題では、咬筋と側頭筋が正解です。
選択肢別解説
咬筋は咀嚼筋の一つで、頬骨弓から下顎骨に至る四角形の筋です。下顎骨を挙上する働きがあり、咀嚼筋の中で最も強力な筋肉です。
側頭筋は咀嚼筋の一つで、側頭部から下顎骨の筋突起に至る筋です。下顎骨を引き上げて歯を嚙み合わせる働きがあり、一部は下顎骨を後方へ引く働きも持っています。
口輪筋は顔面筋の一つであり、咀嚼筋ではありません。中心部の線維は口を軽く閉じ、周辺部は強く閉じる際に働くほか、口を尖らせる際にも働きます。
小頬骨筋は顔面筋の一つであり、咀嚼筋ではありません。上唇鼻翼挙筋、上唇挙筋と合わさり鼻翼を引き上げ、鼻唇溝を形成します。
オトガイ筋は顔面筋の一つであり、咀嚼筋ではありません。オトガイ部の皮膚を引き上げて下唇をつき出し、小さなくぼみをつくる働きがあります。