第57回午後第19問の類似問題

第47回午前:第44問

統合失調症患者の退院時指導で適切でないのはどれか。  

1: 再入院しないよう約束する。

2: ストレスへの対処法を再確認する。

3: 利用する施設の担当者に情報を提供する。

4: 困ったときの援助の求め方について確認する。

5: 再燃のサインを見つけたときの行動について確認する。

第40回午前:第29問

46歳の男性。アルコール依存症。以前から大酒家で、糖尿病、高脂血症および肝障害があった。出張先で連続飲酒状態になり、家族と会社嘱託医師の勧めでアルコール専門病棟に初回入院。離脱症状が治まって1週後、作業療法に参加となる。順調に経過し2か月後に退院予定となったが、職場で断酒を継続することの不安や困難を訴えてきた。このときの対応で適切でないのはどれか。  

1: 作業場面で指導的役割をもたせる。

2: 自助グループへの参加を勧める。

3: 不安の内容を具体的に聞く。

4: 飲酒欲求への対応策を考える。

5: 飲酒場面に対応するためのロールプレイをする。

第35回午前:第38問

42歳の男性。アルコール依存症。事務職。35歳ころから飲酒による肝機能障害を呈する。最近、連続飲酒で長期無断欠勤となったため、本人も断酒を決意せざるを得なくなり入院となった。離脱症状の消退後3週で作業療法が処方された。この患者が飲酒して作業療法に参加した。このときの対応で適切なのはどれか。  

1: 他の患者への影響を考え黙認する。

2: 患者が作業を失敗しないよう見守る。

3: 他の患者の邪魔をしないように伝えて続けさせる。

4: 他の患者の前で注意する。

5: 患者を別室に呼び参加中止を伝える。

第36回午前:第89問

境界型人格障害の患者への作業療法士の対応として適切でないのはどれか。  

1: 支持的態度を維持する。

2: チーム間でかかわりの合意をしておく。

3: 指示的態度を維持する。

4: 物事を一緒に考えていく姿勢を示す。

5: 実施時間の取り決めは明確にする。

第36回午前:第36問

63歳の女性。脳血管性認知症。55歳の頃、一過性脳虚血発作で倒れたことがある。最近、そのような事実はないのに、「息子たちが無断で家の売却の話を進めた」と被害的になり、興奮状態となった。また、日中から雨戸を閉めきり、「家中に虫がいる」と言うようになり入院した。入院後は、問題行動も消失し、作業療法の導入が計画された。この患者の導入時の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.共同作業から参加させる。イ.作業の間違いはすぐに指摘するウ.作業内容は変化の多いものにする。エ.短時間でできる作業を選ぶ。オ.毎回同じ作業療法士が指導する。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第36回午前:第34問

14歳の男子。8歳時に軽度の注意欠陥・多動を伴う学習障害の診断を受けた。中学校(普通学級)に入学したが、最近、登校しないことが多くなった。進学準備の時期を迎えているが、生活リズムも乱れがちとなり、思春期外来への通院時に作業療法を実施することになった。当面の目標設定として適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.生活リズムの改善イ.問題解決能力の向上ウ.課題遂行能力の向上エ.親との関係の改善オ.作業療法の継続的参加  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第49回午前:第5問

30代前半の男性。システムエンジニア。自転車走行中に自動車とぶつかり、外傷性脳損傷を生じ入院となった。作業療法は受傷後20日目から開始。麻痺はみられない。病棟では、食事、更衣、整容、排泄などは自立しているが、トイレや病室の場所が覚えられない、今日の日付が分からない、担当者の顔は分かっているが名前が覚えられない、などがみられた。このような症状がある時期に適切な作業療法はどれか。  

1: 調理

2: 日記

3: 買い物訓練

4: 職業前訓練

5: 電車乗車訓練

第41回午前:第28問

65歳の女性。アルツハイマー型認知症。2年前から物忘れがひどくなった。散歩に行って自宅に帰れなくなってから、抑うつ的となり自宅から出たがらなくなった。日中の臥床傾向が強く、夜中に徘徊するようになったため入院となった。この患者の作業療法の目的で適切でないのはどれか。 ア.生活リズムの改善イ.身辺処理能力の改善ウ.対人関係能力の改善エ.作業遂行能力の改善オ.安心感の提供  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第49回午後:第26問

認知症患者への作業療法で適切なのはどれか。  

1: 徘徊するため、着席を求めた。

2: 食べ物がわかりやすいよう、模様のある皿を使用した。

3: 患者の趣味開発のために体験のない生け花を取り入れた。

4: 日付の見当識障害に対し、文字の大きなカレンダーに変えた。

5: ガスの消し忘れでボヤを起こしたので、介助者とともに調理させた。

第38回午前:第32問

25歳の女性。境界型人格障害。手首の自傷行為の反復、睡眠薬遊びや万引きがある。「何でも良いからやれる仕事をやってはどうか」と言う母親に暴力を振るい、止めに入った父親の前で「死んでやる」と言って再び手首の自傷行為に及び入院した。入院後、穏やかになり作業療法が開始された。作業中に「息が苦しくなり手がしびれる」と言い出した。考えられる発作はどれか。  

1: 低血糖発作

2: 過呼吸発作

3: けいれん発作

4: 欠神発作

5: 情動脱力発作

第52回午後:第44問

急性期を脱した後、まだ外的刺激への敏感さが残る統合失調症患者の作業療法導入時の対応で適切なのはどれか。  

1: 役割を付与する。

2: 対人交流を促す。

3: 定期的な実施を心がける。

4: 複数の作業療法士で対応する。

5: 退行的行動に対しては関与を控える。

第56回午後:第18問

23歳の男性。中学生の頃から対人緊張が強く、人前での食事で発汗や赤面、緊張が強まることがあった。大学進学後も実習の発表時に緊張が強く、動悸や発汗を苦にしていた。卒業後に病院で作業療法士として働いていたが、通勤中のバスに停留所から同僚が数人乗り込んでくると、動悸、振戦、発汗が生じるようになった。車内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない。考えられるのはどれか。  

1: 解離性障害

2: 強迫性障害

3: パニック障害

4: 社交(社会)不安障害

5: PTSD〈外傷後ストレス障害〉

  • 答え:4
  • 解説:この患者は人前での緊張や不安を感じることが多く、自律神経症状が現れることが特徴的であり、社交(社会)不安障害が考えられます。
  • 解離性障害は、無意識のストレスや葛藤が身体症状に変換される反応であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 強迫性障害は、不合理な考えが頭から離れず、同じ行動を繰り返すものであり、この患者の症状とは一致しません。
  • パニック障害は、突然の動悸や恐怖感、息苦しさが特徴的であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 社交(社会)不安障害は、人前での緊張や不安を感じることが特徴的であり、この患者の症状と一致します。このため、答えは4です。
  • PTSDは、強烈な出来事の後に様々な症状が現れるものであり、この患者の症状とは一致しません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午後:第13問

46歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅴ、手指Ⅴ、下肢Ⅴ。発症後7か月が経過し、認知機能はMMSEが24点、軽度の注意障害を認めている。既に退院し、父母と同居している。発症前は内装業に従事していたが、同職での復職が困難であることから、就労移行支援による雇用を目指している。作業療法士が患者に実施する内容で正しいのはどれか。  

1: 就労準備は課題がなくなるまで続ける。

2: 雇用されたら支援が終了となる。

3: 実際の場面での職業評価を行う。

4: 雇用条件通りの就業を目指す。

5: 通勤は付き添いを前提とする。

  • 答え:3
  • 解説:就労移行支援は障害者総合支援法に基づく就労支援サービスで、一般企業への就職を希望する者に対し、就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練、求職活動に関する支援などを行うものである。利用期間は原則2年以内に制限される。
  • 就労移行支援の利用期間は原則2年以内に制限される。完全に課題がなくなるまで続けることは困難であり、患者の技能と就労条件をすり合わせて就労に備えるように支援する。
  • 就労移行支援では、就職後における職場への定着のために必要な相談などの支援も行うため、雇用されたら支援が終了となるわけではない。
  • 正しい選択肢。就労移行支援では、生産活動や職場体験などの活動の機会の提供を行い、実際の業務内容に則した場面で職業評価を行う。
  • 就労移行支援では、求職活動に関する支援や、その適性に応じた職場の開拓を行うが、雇用条件通りの就業を目指すものではない。作業療法士は産業医やカウンセラーとも相談し、雇用条件を患者の能力に見合うように調整し、就職に繋げられるように支援する。
  • この患者は、右片麻痺の程度が上下肢いずれもBrunnstrom法ステージでⅤと軽度であり、高次脳機能障害もMMSE24点と軽度である。通勤距離や経路にもよるが、付き添いなしでも通勤できる可能性もあるため、付き添いを前提とする必要はない。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第50回午後:第20問

25歳の男性。Asperger症候群。うつ病を合併していたが最近になり改善した。就労意欲が高まったため就労に向けた評価を実施することになった。この患者に実施する評価で適切でないのはどれか。  

1: SDS

2: HRS

3: PANSS

4: マイクロタワー法

5: VPI職業興味検査

第38回午前:第38問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での作業種目で適切なのはどれか。  

1: マクラメ

2: 散歩

3: パソコン操作

4: 革細工

5: 木工

第55回午前:第17問

40歳の男性。20歳から飲酒を始め、就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた。その後、毎晩の飲酒量が増え、遅刻や無断欠勤をし、休みの日は朝から飲酒するようになった。連続飲酒状態になり、リビングで泥酔し尿便を失禁していた。心配した妻に連れられて精神科を受診し、そのまま入院となった。離脱症状が治まり、体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された。初回面接時には「自分は病気ではない」と話した。初期の対応で適切なのはどれか。  

1: 飲酒しないように繰り返し指導する。

2: 心理教育により依存症の理解を促す。

3: AA〈Alcoholics Anonymous〉を紹介する。

4: 10 METsの運動で身体機能の回復を促す。

5: 飲酒による問題の存在を受け入れるよう促す。

  • 答え:2
  • 解説:この患者はアルコール依存症であり、病気であることを否認している。初期の対応としては、心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 否認がみられる患者に対して、飲酒しないように繰り返し指導するだけでは効果が得られにくい。患者が飲酒がなぜいけないのか理解できるようなアプローチが必要である。
  • 心理教育により依存症の理解を促すことは、患者の病識を高め、断酒を勧める上で適切な対応である。この選択肢が正しい。
  • AAや断酒会などの自助グループへの参加は、回復期のアルコール依存症患者に対して有効であるが、現時点では時期尚早であるため、初期の対応としては適切ではない。
  • 10 METsの運動は負荷量が大きく、現在の患者には適切ではない。初期の段階では栄養状態を確認し、運動は低負荷から開始するべきである。
  • 患者は否認がみられるため、飲酒による問題の存在を受け入れるよう促すだけでは理解が得られにくい。心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第47回午後:第14問

70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。その後、興奮が落ち着き、作業療法室に定期的に通うようになった。今後の作業療法での留意点で適切なのはどれか。  

1: 個室で作業を行う。

2: 薬物の作用を学習させる。

3: 病気の説明を繰り返し行う。

4: 作業手順を1工程ずつ説明する。

5: 長時間かけて仕上げる作業を課題に選ぶ。

第49回午後:第18問

28歳の女性。電車を待つホームで突然動悸が激しくなり、死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われ、しゃがみこんでしまった。後日精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この患者への作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 内省を促す。

2: 心理教育を取り入れる。

3: 屋外でのプログラムを含める。

4: コラージュで自己表現を促す。

5: リラクセーションを指導する。

第54回午前:第18問

50歳の女性。10年前に義母の介護に際して突然の視力障害を訴えたが、眼科的異常はみられなかった。1か月前に夫の単身赴任が決まってから、下肢の冷感、疼痛を主訴として、整形外科、血管外科などを受診するも異常所見は指摘されなかった。次第に食事もとれなくなり、心配した夫が精神科外来を受診させ、本人はしぶしぶ同意して任意入院となった。主治医が、身体以外のことに目を向けるようにと作業療法導入を検討し、作業療法士が病室にいる本人を訪問することになった。本人は着座すると疼痛が増強するからと立位のままベッドの傍らに立ち続けて、他科受診できるよう主治医に伝えてほしいと同じ発言を繰り返す。この患者に対する病室での作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。  

1: 他科受診できるよう約束する。

2: 夫の単身赴任をどのように感じているか尋ねる。

3: 痛みが軽減することを約束して作業療法への参加を促す。

4: 身体的には問題がなく、心の問題であることを繰り返し伝える。

5: 他のスタッフの発言との食い違いが生じないよう、聞き役に徹する。

  • 答え:5
  • 解説:この患者は転換性障害であると考えられるため、作業療法士は患者の発言を傾聴し、他のスタッフとの食い違いがないように情報共有を行うことが最も適切な対応です。
  • 他科受診の決定は医師の判断であり、作業療法士が約束できることではないため、選択肢1は適切ではありません。
  • 現時点で治療内容に納得していない患者に対して、症状増悪の契機となったできごとを聴取することは適切ではないため、選択肢2は適切ではありません。
  • 作業療法士は症状そのものの治療契約を結ぶことができず、作業療法導入初期には強く参加を促すことは避けるべきであるため、選択肢3は適切ではありません。
  • 現時点で心の問題であることを繰り返し伝えると、患者は納得できず自己否定を感じる可能性があるため、選択肢4は適切ではありません。
  • 患者の発言を傾聴し、他のスタッフとの食い違いがないように情報共有を行うことは、現時点での患者の苦痛を理解しようとする態度として望ましいため、選択肢5が最も適切な対応です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第36回午前:第40問

30歳のてんかん患者。陶芸作業中、突然動作が止まりぼんやりして口をもぐもぐさせていた。しばらくして、再び陶芸作業を始めた。作業療法士が尋ねると「昔見た光景がありありと目に浮かんできた」と答えた。作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 様子を注意深く観察する。

2: 緊急に主治医に連絡する。

3: 光景の内容を詳しく聞く。

4: 作業種目を変更する。

5: その日の作業を中止する。