60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。作業療法の初期評価で適切でないのはどれか。
1: 歩行の状態を把握する。
2: 日常生活の状況について尋ねる。
3: 発症に先立つ環境変化について情報収集する。
4: 高次脳機能検査を行う。
5: 患者が関心を持っている活動を聞く。
67歳の女性。Alzheimer型認知症。HDS-Rは18点で特に見当識と遅延再生とに低下を認めた。自宅から一人で外出する際に迷って保護されることが多くなり、送迎によって通所リハビリテーションに通っている。作業療法では認知機能のリハビリテーションを実施している。記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのはどれか。
1: 「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう。
2: 家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる。
3: 作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる。
4: 「もう〇月の〇日ですね」と伝えて日付を確認する。
5: 「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる。
80歳の男性。3年前に脳梗塞による右片麻痺を発症したが、独歩は可能であり、ADLは自立していた。肺炎のため1週間の安静臥床が続いた後、伝い歩きはできるものの独歩は困難となった。最も考えられる原因はどれか。
1: 褥瘡
2: 脳梗塞の再発
3: 下肢筋力低下
4: 呼吸機能低下
5: 精神機能低下
20歳の男性。広汎性発達障害。高校の普通科を卒業後、工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり、昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した。その後、抑うつ的な状態が続き、精神科受診となった。この患者の行動特性はどれか。2つ選べ。
1: 場の雰囲気を読み取ることが苦手である。
2: 順番を待つことができない。
3: 新しいことが覚えられない。
4: 不測の事態に対応できない。
5: 常に落ち着きがない。
70歳の男性。アルツハイマー型認知症。約1年前、家族に言動を注意されてからふさぎ込んだ。それ以来、家族との会話も少なくなった。最近、財布の置き場所を忘れたり、お湯を沸かそうとしてガスをつけたまま外出してしまうことが目立つようになった。1か月前、買い物に行ったまま自宅への帰り道がわからなくなり保護され入院した。作業療法の初期プログラム設定で適切でないのはどれか。
1: 患者の生活史を重視する。
2: 個別訓練から始める。
3: 自信が得られるようにする。
4: 作業には変化をつける。
5: 安心感のもてる作業環境をつくる。
前頭葉損傷を受けた高次脳機能障害患者に特徴的でないのはどれか。
1: 計画性の喪失
2: 処理スピードの低下
3: 自発性の減弱
4: 左右障害
5: 易刺激性
前頭葉損傷を受けた高次脳機能障害患者に特徴的でないのはどれか。
1: 計画性の喪失
2: 処理スピードの低下
3: 自発性の減弱
4: 左右障害
5: 易刺激性