第51回午後第17問の類似問題

第57回午前:第18問

16歳の女子。高校進学後から体型を笑われたように思い、極端な減量をして痩せが目立つようになった。2か月前から登校できなくなって入院治療を受けることになった。入院後、気分転換と早期の復学を目的とした作業療法が処方された。この患者に対する導入期の作業療法で最も適切なプログラムはどれか。  

1: 簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラム

2: 柔軟な思考を得るための小集団でのプログラム

3: 体力増強のための機器を用いた運動プログラム

4: 調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラム

5: 退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラム

  • 答え:1
  • 解説:この患者は神経性無食欲症と推察され、気分転換と早期復学を目的とした作業療法が処方されている。導入期の作業療法では、病気にとらわれず楽しんで集中できる時間を過ごせるようにすることが重要である。
  • 簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラムは、気分転換に適しており、患者が楽しみながら集中できる時間を提供できる。このプログラムは導入期の作業療法に適切である。
  • 柔軟な思考を得るための小集団でのプログラムは、導入期の患者には対人緊張が高いことがあるため、個別作業療法から導入して心理負担を軽くする。小集団での活動は、回復過程に合わせて設けるべきである。
  • 体力増強のための機器を用いた運動プログラムは、導入期には適切でない。患者が過活動となってやりすぎる危険があり、全身の栄養状態が低いことが予想されるため、無理な運動は避けるべきである。
  • 調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラムは、神経性無食欲症の患者には適切でない。食べ物に関心が向いてしまい、気分転換の目的に反するため、このプログラムは適切でない。
  • 退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラムは、患者が自分で気分転換ができ、体力維持と食行動の制御ができて退院の目処が立つ時期に開始したほうがよい。導入期には適切でない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第47回午前:第18問

30歳の女性。大学卒業後就職したが、すぐに退職した。その後対人トラブルを起こしては何回も勤務先を変え、2週前から就労移行支援事業所に通所するようになった。作業手順が分からなくても質問ができないため完成することができなかった。音に過敏に反応し、他の通所者と折り合いがつかずいらいらするようになり、家族に当たり散らすようになった。通所も中断し自宅に引きこもりがちとなったため、外来作業療法を紹介された。この患者で考えられるのはどれか。  

1: 注意欠陥/多動性障害

2: Asperger症候群

3: 学習障害

4: 行為障害

5: 自閉症

第49回午後:第19問

26歳の女性。異性問題でリストカットを繰り返し入院となった。その後も病棟看護師に甘えたかと思えば暴言を吐く状態が続いている。入院後2週が経過して作業療法が処方された。この患者にみられやすいのはどれか。  

1: 心気症

2: 注意障害

3: 強迫症状

4: させられ体験

5: 見捨てられ恐怖

第43回午前:第84問

慢性期統合失調症患者に作業療法を導入する際の留意点で適切でないのはどれか。  

1: それまでの患者の生活パターンを保つ。

2: 複数の課題を提示する。

3: 何もしなくてもよいことを保障する。

4: 段階づけができる工程を準備する。

5: 完成品の見本を見せながら手順を話す。

第52回午後:第49問

急性の幻覚妄想状態が軽減してから1週間が経過した統合失調症患者に対して行う高校復学を目標とした外来作業療法導入時の目的として適切なのはどれか。  

1: 余暇活動の促進

2: 社会参加の促進

3: 生活リズムの獲得

4: 対人スキルの向上

5: デイケアへの移行練習

第38回午前:第78問

精神分裂病(統合失調症)患者の急性期症状消退時の作業療法の目的で適切なのはどれか。  

1: 対人技能の向上

2: 金銭の自己管理の向上

3: 自己決定力の向上

4: 疲労感の軽減

5: 職場獲得の援助

第49回午後:第18問

28歳の女性。電車を待つホームで突然動悸が激しくなり、死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われ、しゃがみこんでしまった。後日精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この患者への作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 内省を促す。

2: 心理教育を取り入れる。

3: 屋外でのプログラムを含める。

4: コラージュで自己表現を促す。

5: リラクセーションを指導する。

第51回午前:第50問

被害妄想が持続し自宅に閉じこもることで安定している慢性期の統合失調症患者に対する訪問作業療法として適切な支援はどれか。  

1: 外出の促し

2: 家事行為の指導

3: 近所づきあいの指導

4: 本人が困っていることの傾聴

5: 内服薬の種類についての話し合い

第39回午前:第39問

50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。この患者の行動で予想されるのはどれか。  

1: 円滑な対人関係

2: 共感的な感情表出

3: 柔軟な判断

4: 高い目標設定

5: 熟慮した上での行動

第47回午後:第18問

35歳の女性。現在、6か月児の子育て中であるが、1か月前からテレビも新聞も見る気が起こらないほど周囲への興味・関心が低下し、子と触れ合うこともおっくうになった。物事の判断が鈍くなり、子育てに自信をなくし、自分を責め、ささいなことから不安になりやすくなったため、子を祖母に預けて精神科病院に入院した。入院翌日から不安の軽減を目的に作業療法が開始された。この患者に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 体力の増強を図る。

2: 趣味をみつけるよう促す。

3: 子育てへの関心を高める。

4: 日中の過ごし方を話し合う。

5: 共同作業で他者と役割を分担させる。

第40回午前:第80問

作業療法場面での統合失調症者の行動特徴で誤っているのはどれか。  

1: 柔軟な判断が苦手である。

2: 計画的な遂行が苦手である。

3: 慣れの効果が持続する。

4: 注意の配分が片寄る。

5: 緊張の亢進が持続する。

第35回午前:第85問

精神分裂病(統合失調症)の作業療法でみられないのはどれか。  

1: 判断が一面的になりやすい。

2: 物事への関心が低い。

3: 対人関係の距離が混乱しやすい。

4: 物事の全体的把握が苦手である。

5: 一つの作業に長時間没頭する。

第57回午後:第15問

24歳の女性。大学卒業後に事務職として勤務していたが、汚物が付着していないかと気になり、頻繁に手を洗い何度も確認するようになった。確認行為により仕事に支障をきたすようになり退職した。家族は本人の確認行為に応じていた。精神科を受診したところ強迫性障害と診断され、外来での作業療法が処方された。作業療法士から家族へのアドバイスとして最も適切なのはどれか。  

1: 常に本人を監視するように伝える。

2: 本人の再就職を促すように伝える。

3: 家の中の消毒を徹底するように伝える。

4: 病気の原因を本人と話し合うように伝える。

5: 本人からの確認の要求に応じないように伝える。

  • 答え:5
  • 解説:強迫性障害は患者が不合理な行動を繰り返す病気で、治療には認知行動療法や薬物療法が用いられる。家族が患者の要求に応じないことで、患者が自分で心理葛藤に立ち向かえるようになる。
  • 家族に行動を監視されることで、患者の心理的緊張と不安が高まり、強迫行為が出現しやすくなることがあるため、適切ではありません。
  • 患者は職場での強迫行為が原因で離職しており、再就職を促すと本人の不安が増大する危険があるため、適切ではありません。
  • 家の中の消毒は、患者の手に汚物がついていることを家族が追認することになり、不安を助長するため、適切ではありません。
  • 患者は病気の原因が自分自身の不安と自分の意思に反して生じている考えであることを理解しているが、それをわかっていてもやめられないため、家族と話し合いをしても解決できないため、適切ではありません。
  • 患者本人の確認要求に応じないことで、患者が自分で心理葛藤に立ち向かえるようになり、強迫行為を克服することができるため、適切です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第35回午前:第29問

65歳の男性。老年期うつ病。妻と2人暮らし。会社を定年退職後、不眠および食欲不振などの体調不良を訴え始める。些細なことを気にするようになり、「簡単なことも出来なくなっている。物忘れがひどくなった。痴呆ではないか。」などと言ってふさぎ込んでいる。家族も対応に困り入院となった。入院後1か月で睡眠がとれるようになったが、抑うつ気分は続いている。この時点で作業療法が処方された。作業療法開始時の留意点で適切なのはどれか。  

1: 作業能力検査を実施する。

2: 病前に得意であった活動を導入する。

3: 物忘れへの対応を実施する。

4: その都度元気づけをする。

5: 徐々にグループ参加へ方向づける。

第38回午前:第32問

25歳の女性。境界型人格障害。手首の自傷行為の反復、睡眠薬遊びや万引きがある。「何でも良いからやれる仕事をやってはどうか」と言う母親に暴力を振るい、止めに入った父親の前で「死んでやる」と言って再び手首の自傷行為に及び入院した。入院後、穏やかになり作業療法が開始された。作業中に「息が苦しくなり手がしびれる」と言い出した。考えられる発作はどれか。  

1: 低血糖発作

2: 過呼吸発作

3: けいれん発作

4: 欠神発作

5: 情動脱力発作

第38回午前:第40問

68歳の男性。21歳時に精神分裂病(統合失調症)を発症し入退院を数回繰り返した。50歳ころから症状が安定し家庭菜園をしながら弟の家族と同敷地内の離れ家で暮らしていた。今回、数年前からの多発性脳梗塞による認知症が進み、日常生活が困難となり、老人性認知症疾患療養病棟に入院した。開始時の作業活動で適切なのはどれか。  

1: 籐細工

2: 園 芸

3: 音楽鑑賞

4: 絵 画

5: 文化刺繍

第43回午前:第32問

48歳の男性。妻と二人暮らし。昇進後しばらくして、不眠・食欲不振等の体調不良を訴え始めた。些細な事を気にして「考えがまとまらない。楽しいと感じることがない」などと言ってふさぎ込むようになった。近くの精神科病院を受診し、うつ病と診断され入院となった。入院後1か月で睡眠が取れるようになったが、抑うつ気分は続いている。この時点で作業療法が開始された。作業療法開始時の目的で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 病状認識の促し

2: 病前生活への復帰

3: 生活リズムの回復

4: 社会的役割の提供

5: 不安の軽減

第52回午後:第19問

79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。  

1: 詩吟

2: 洋裁

3: 計算ドリル

4: 献立づくり

5: 立体パズル

第54回午後:第18問

14歳の女子。生来健康で活発であった。6か月前からダイエットを契機に拒食や過食嘔吐をするようになり、体重が58 kg(身長158 cm)から41 kgまで減少した。心配した母親に連れられて精神科を受診し、入院となった。3週後、体重は47 kgを超えて作業療法が開始となったが、部屋にある料理の本をずっと眺めており「したいことに集中できない」と訴えた。この患者に対する作業療法士の声かけで適切なのはどれか。  

1: 「気分転換できる作業を探しましょう」

2: 「復学に向けた計画を考えていきましょう」

3: 「料理に興味があるのですね。簡単なものから作ってみましょう」

4: 「食物から距離を取るために、ここでは料理の本を見るのはやめましょう」

5: 「休養が大事な時期です。何もせずゆっくり過ごすことを目標にしましょう」

  • 答え:1
  • 解説:この患者は摂食障害と考えられ、作業療法では症状にとらわれず楽しめる時間を提供することが重要です。患者が「したいことに集中できない」と訴えているため、気分転換できる作業を探すことが適切な声かけとなります。
  • 患者が食べることや食事にとらわれて他のことに目が向かない状態から注意をそらし、作業を介した楽しむ時間をもつことが重要であるため、「気分転換できる作業を探しましょう」という声かけが適切です。
  • 現時点で患者からの復学の希望は聞かれておらず、作業療法も開始したばかりの時期であるため、「復学に向けた計画を考えていきましょう」という声かけは時期尚早です。
  • 摂食障害の患者に対しては、食べることや料理など、症状と関連することにとらわれずに、作業を介した楽しむ時間をもつことが重要であるため、「料理に興味があるのですね。簡単なものから作ってみましょう」という声かけは適切ではありません。
  • 摂食障害の患者が食べることから意識をそらすためには、別のものを意識させて注意を向けさせるほうがよいですが、「食物から距離を取るために、ここでは料理の本を見るのはやめましょう」という声かけは否定的な体験が上回ってしまう可能性があるため適切ではありません。
  • 患者は現在体重が増えつつあり、休養を要する時期は脱していると考えられるため、「休養が大事な時期です。何もせずゆっくり過ごすことを目標にしましょう」という声かけは適切ではありません。この時期には軽めの身体的活動をさせ、自分の身体の状態に気づけるようにすることが重要です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第47回午前:第44問

統合失調症患者の退院時指導で適切でないのはどれか。  

1: 再入院しないよう約束する。

2: ストレスへの対処法を再確認する。

3: 利用する施設の担当者に情報を提供する。

4: 困ったときの援助の求め方について確認する。

5: 再燃のサインを見つけたときの行動について確認する。