第51回午前第16問の類似問題

第40回午前:第38問

15歳の男子。アスペルガー症候群。成績は良いが、最近、小さなことで級友を罵倒したり、机を蹴飛ばしたり、教師に対する攻撃的な言動も目立つようになった。家でも些細なことへのこだわりが強まり、親が対応に困り精神科外来受診となった。当面、週1回の個人作業療法に参加することとなった。本人は「ここには母親に連れてこられた」と受身的な参加態度を示す。初回面接の優先的な話題として適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 級友との関係を聞く。

2: 担任教師の対応を聞く。

3: 得意な科目の話を聞く。

4: 進路の希望について聞く。

5: 家でのこだわりについて聞く。

第52回午前:第15問

51歳の女性。パート勤務。職場で突然、動悸がして息苦しくなり口をパクパク開けて過呼吸となった。「出勤するとまた発作が起こりそうだ」と言って自宅に閉じこもっている。この患者の症状で考えられるのはどれか。  

1: 適応障害

2: 身体化障害

3: 解離性昏迷

4: パニック障害

5: 急性ストレス反応

第56回午前:第15問

17歳の男子。子供の頃から内向的な性格だが、乳幼児健診等で異常を指摘されたことはない。高校1年時から周囲の物音に敏感となり、「学校で同級生に嫌がらせをされる」と不登校になった。自宅では「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」、家族と外出した街中では「自分の考えたことが知れわたっている」と言うようになり、精神科を受診し、通院治療で状態がある程度改善した後に外来作業療法が導入された。この患者でみられやすい症状はどれか。  

1: 意識変容

2: 観念奔逸

3: 強迫観念

4: 思考制止

5: 連合弛緩

  • 答え:5
  • 解説:この患者は被害妄想や思考伝播の症状があり、統合失調症であると推察されます。統合失調症の症状の一つである連合弛緩が選択肢の中で最も適切です。
  • 意識変容は意識障害の一種で、幻覚や思考の混乱などがありますが、この患者の症状とは一致しません。
  • 観念奔逸は考えが統一なくしゃべりまくる様子で、躁病でみられますが、この患者の症状とは一致しません。
  • 強迫観念は患者が自分の行為を不合理な行動とわかっていてもやめることのできない症状で、神経症でみられますが、この患者の症状とは一致しません。
  • 思考制止はうつ病でみられる症状ですが、この患者の症状とは一致しません。
  • 連合弛緩は会話の思考テーマが次々と脈絡なく飛躍し、連想に緩みが生じて話にまとまりがなくなることです。統合失調症の症状で、この患者の症状と一致します。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第52回午前:第18問

57歳の女性。夫と寝たきりの母親との3人暮らし。編み物を趣味としていた。患者は手の抜けない真面目な性格で、介護が2年続いたころから「体が動かない。死んでしまいたい」と寝込むようになった。夫に連れられ精神科病院を受診し入院。1か月後に作業療法が導入となった。しかし、作業療法士に「母のことが気になるんです。ここにいる自分が情けない」と訴えた。この患者への対応として適切なのはどれか。  

1: 主治医に早期の退院を提案する。

2: 他の患者をお世話する役割を提供する。

3: 趣味の編み物をしてみるように提案する。

4: 休むことも大切であることを説明する。

5: 他の患者との会話による気晴らしを促す。

第45回午前:第20問

25歳の男性。幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが、固執性が強く友人との関係は保てなかった。製造業に就職し業務成績も良かったが、研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え、上司に伴われて精神科を受診した。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 集中力を高める。

2: 耐久性の向上を図る。

3: 対人関係技能を高める。

4: 複数の作業を同時に行う。

5: 多くの感覚刺激を取り入れる。

第43回午前:第28問

47歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事のストレスのために飲酒量が増え、40歳ころから高脂血症と肝機能障害とがある。年末年始に連続飲酒の状態となり、妻と両親に付き添われて精神科を受診した。アルコール専門病棟へ入院し、2週目に作業療法が開始された。この時点での作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 体力の向上を図る。

2: 合併症に関する心理教育を行う。

3: 仕事のストレスについて話し合う。

4: 生活技能訓練(SST)を行う。

5: 自助グループを紹介する。

第36回午前:第36問

63歳の女性。脳血管性認知症。55歳の頃、一過性脳虚血発作で倒れたことがある。最近、そのような事実はないのに、「息子たちが無断で家の売却の話を進めた」と被害的になり、興奮状態となった。また、日中から雨戸を閉めきり、「家中に虫がいる」と言うようになり入院した。入院後は、問題行動も消失し、作業療法の導入が計画された。この患者の導入時の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.共同作業から参加させる。イ.作業の間違いはすぐに指摘するウ.作業内容は変化の多いものにする。エ.短時間でできる作業を選ぶ。オ.毎回同じ作業療法士が指導する。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第44回午前:第91問

身体表現性障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 現実検討能力を高める。

2: 不安な気持ちを解釈する。

3: 集団作業療法を基本とする。

4: 対人関係能力の向上を図る。

5: 感情表現を促す活動を提供する。

第48回午後:第13問

17歳の女子。統合失調症。授業中に突然叫び声をあげ、教科書と筆記用具を窓から投げ捨てた。両親が付き添い精神科病院に入院し、陽性症状の落ち着いた3週目に退院となり、精神科ショートケアに紹介された。この時期の精神科ショートケア利用の目的はどれか。  

1: 仲間づくり

2: 居場所づくり

3: 社会資源の利用

4: 対人交流技能の改善

5: 基本的生活リズムの回復

第41回午前:第33問

40歳の男性。4月に職場の配属先が変わり新しい仕事に慣れない日が続いていた。会社に行くと手に冷や汗が出て、胸がどきどきするようになった。1か月前から不眠、意欲の低下が出現した。会社に行く気力がなくなり、朝からふさぎこむようになったため、妻と一緒に精神科を受診し、入院となった。この患者の入院初期の治療として適切でないのはどれか。  

1: 対人技能訓練を行う。

2: 隠れた身体疾患を検索する。

3: 睡眠薬を処方する。

4: 抗うつ薬を処方する。

5: 充分な休息を与える。

第53回午前:第16問

67歳の女性。認知症。2年前ごろから身だしなみに気を遣わずに出かけるようになった。次第に同じ食事メニューを繰り返し作る、日常会話で相手の言葉をオウム返しにする、買い物をしても代金を払わず、とがめられても気にしないといったことが多くなったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。  

1: 転倒しやすい。

2: 情動失禁がみられる。

3: 手続き記憶が損なわれる。

4: 時刻表的生活パターンがみられる。

5: 「部屋にヘビがいる」といった言動がある。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は常同行動や社会規範を逸脱した行動を気にしないことから、前頭側頭型認知症(Pick病)であると考えられます。Pick病の特徴的な症状は時刻表的生活パターンです。
  • 歩行時の動揺や転倒は、運動麻痺を伴うことの多い脳血管性認知症の特徴である。この患者は買い物に出かけている様子が問題文にあるが、歩行障害などの記述はなく、転倒しやすいとは判断できない。
  • 情動失禁は脳血管性認知症にみられやすい。前頭葉の機能低下により、感情の抑制が衰えるとともに生じる。問題文には、感情の起伏を伴った問題行動の記載はない。
  • 手続き記憶やエピソード記憶の障害は、Alzheimer型認知症の特徴である。この患者は、問題はあっても調理や買い物ができることから、手続き記憶が損なわれた状態ではない。
  • 時刻表的生活パターンなどの常同行動は、Pick病の特徴的な症状である。この患者の症状から、Pick病であると判断できる。
  • 幻覚(特に幻視)はLewy小体型認知症でみられやすい。しかし、この患者の症状からはLewy小体型認知症を示唆する証拠は見られない。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第54回午前:第20問

30歳の男性。統合失調症で5年前に幻覚妄想状態で家族に対する興奮があり、医療保護入院となった既往がある。退院後はほぼ規則的に通院し、毎食後服薬していたが、3か月前から治療を中断し、幻聴や被害関係妄想が悪化し、両親を自宅から閉め出して引きこもってしまった。注察妄想もあり本人も自宅から外出できない状況である。多職種訪問支援チームが1年前から関わっており、訪問は受け入れてもらえている。この患者への今後の介入で最も適切なのはどれか。  

1: 本人の意思に関わらず、繰り返し服薬を強く促す。

2: 両親を自宅に同行させ、その場で本人に両親への謝罪を促す。

3: 民間救急を利用し、中断していた精神科病院の救急外来に搬送する。

4: 本人の希望や生活上の困り事を根気よく引き出し、関係を深める努力をする。

5: 訪問頻度を減らし、本人が助けを求めるのを待って精神科外来に結びつける。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は統合失調症であり、家族に対する興奮や幻聴、被害関係妄想が悪化している。適切な介入は、本人の希望や生活上の困り事を根気よく引き出し、関係を深める努力をすることである。
  • 被害関係妄想がある場合は、本人の意思に反する関わりは避けるべきである。本人が実現したい生活の姿を共有し、その支援を行う。
  • この患者は、家族に対して興奮したり、両親を自室から閉め出したりしていることから、病的体験には両親が関連している可能性が高いと考えられる。この段階で、本人の自発的な意思でないにも関わらず、家族に謝罪を促すのは望ましくない。
  • この患者は、現時点で訪問支援を受け入れているため、民間救急を利用するまでの状況には至っていないと考えられる。
  • 地域における生活支援においては、本人が生活の主体者として自己決定し、生きていく力をつけるように支援する。患者本人がどのような生活をしたいのか、何をしたいのか、何ができるようになりたいのか、などのニーズのアセスメントが重要である。また、同時に、患者と治療者の間で信頼関係を深められるようにする。
  • 服薬は3か月前から自己中断しているため、訪問頻度を減らすことは怠薬による再発リスクを高める危険がある。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第39回午前:第27問

60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。この患者は、家事ができないことで夫に罪責感を持っており、早く家事ができるようになることを希望した。作業療法導入期のプログラムとして適切でないのはどれか。  

1: 小物の洗濯

2: 献立表作り

3: ベッド周りの私物整理

4: 同年代患者の茶話会参加

5: 散歩

第42回午前:第27問

27歳の男性。統合失調症。大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから、眠れない日が続き、急に怒り出すこともあった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり入院した。1週後、症状が徐々に落ち着いてきた時点で作業療法が開始された。この時点での作業療法の目的で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 自信の回復

2: 役割の遂行

3: 安心感の提供

4: 対人関係の改善

5: 生活リズムの回復

第47回午後:第13問

70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。この時期の患者に対する作業療法の目的として適切なのはどれか。  

1: 食事動作の維持

2: 精神的混乱の軽減

3: 廃用症候群の予防

4: 非言語的交流の活用

5: 福祉用具の適用評価

第43回午前:第36問

18歳の女子。高校生。好意を寄せている男性について「彼はスマートな子が好きらしい」という話を友人から聞いたことをきっかけにダイエットを始めた。食べたいという気持ちと痩せたいという気持ちを両立させるため、“食べた直後に故意に吐く”という行為を繰り返すうち、食べ物の量と食べる回数とが増えていった。冷蔵庫の中身の異常な減り方に気付いた母親に連れられ精神科病院を受診した。この時期の作業療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 作品の自己管理を促す。

2: 患者の得意な作業種目を提供する。

3: 工程数が多い作業を取り入れる。

4: その都度作業の進め方を指示する。

5: 集団作業療法を導入する。

第37回午前:第89問

器質性精神障害患者の作業療法で適切なのはどれか。  

1: 他の患者との交流は避ける。

2: 変化のある作業種目を選択する。

3: 誤った言動は理論的に正す。

4: 作業の誤りはまとめて訂正する。

5: 楽しみの要素を取り入れる。

第50回午後:第47問

作業療法中に簡単な作業であっても頻回に助言を求めるのはどれか。  

1: 依存性パーソナリティ障害

2: 演技性パーソナリティ障害

3: 妄想性パーソナリティ障害

4: 非社会性パーソナリティ障害

5: 自己愛性パーソナリティ障害

第36回午前:第30問

42歳の女性。躁うつ病。高校卒業後からスーパーマーケットに勤務。30歳のとき躁状態で入院した。以後、躁状態またはうつ状態で6回入退院を繰り返した。今回は、パートタイムで働いていたが次第に不眠、抑うつ気分を呈するようになり入院した。入院から1か月後、作業療法が開始された。作業療法開始後1か月で「早く退院したい」という申し出があった。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。 ア.主治医に報告する。イ.理由を尋ねる。ウ.作業種目を変更する。エ.就労訓練を始める。オ.退院の意志を確かめる。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第45回午後:第48問

治療者を操作しようとしたり、独占しようとしたりする可能性が最も高い疾患はどれか。  

1: 1. アルコール依存症

2: 2. 双極性感情障害

3: 3. 境界性人格障害

4: 4. 広汎性発達障害

5: 5. 統合失調症