第44回午前第28問の類似問題

第46回午後:第17問

19歳の男性。Asperger症候群。普通高校を中位の成績で卒業し、就職したが、指示どおりに仕事ができない、しつこく同じ話を繰り返して同僚を怒らせるなどの対人トラブルが絶えず解雇され、職を転々としている。作業療法で工夫する点はどれか。  

1: 表現活動を促す。

2: 競争的作業を取り入れる。

3: 集団のリーダー役を担わせる。

4: 説明を箇条書きにして手渡す。

5: 興味のあることを自由にしてもらう。

第55回午後:第12問

87歳の男性。脳血管障害の後遺症により週1回の訪問作業療法を行っている。訪問時、85歳の妻が「家で介護することがつらい。疲れた」と暗い顔でため息をついている。訪問作業療法士の対応で正しいのはどれか。  

1: 妻に精神科の受診を勧める。

2: 近隣の入所施設の空き情報を伝える。

3: 患者へ妻に甘えすぎないように話す。

4: 訪問介護事業所に利用開始を依頼する。

5: ケアマネージャーに妻の状況を報告する。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、高齢の介護者が疲労している状況に対して、訪問作業療法士がどのような対応をすべきかを問うています。妻の気持ちを受容し、状況を確認し、専門家に相談し、解消法を選択する手順が考えられます。
  • 妻は介護のつらさと疲労を訴えていますが、受診すべき病的状態かどうかは問題文からはわかりません。まずは他のチームメンバーに報告して状況を確認するべきです。
  • 入所施設の空き情報を伝える前に、まずはケアマネージャーや他の支援者と情報を共有し、介護負担軽減のための手段を検討するべきです。
  • 問題文には患者が妻に甘えているとの情報はなく、まずは状況を確認し、その後に対処するべきです。
  • 訪問介護事業所の利用開始にはケアマネージャーが作成するケアプランの変更手続きが必要です。妻の状況を他職種と確認し、相談したうえで利用すべきサービスを選択するべきです。
  • ケアマネージャーは患者本人と家族の諸問題を把握する役割があります。妻の状況を報告することで、適切な支援が受けられるようになります。正しい対応です。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第42回午前:第31問

32歳の女性。躁うつ病。18歳で発病。24歳で結婚し、2児をもうけ、スーパーで仕事をしていた。長男が小学校へ入学し、PTAの役員を引き受けた頃から仕事も忙しくなり、気分が高揚し外出や買い物が頻繁となった。心配した夫とともに受診し、入院となった。入院2週目、高揚気分は徐々に治まり、本人から「手芸がしたい」という希望があり、作業療法が開始された。この時点での作業療法として適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 現在の病棟での生活の様子を病棟スタッフから聞く。

2: 過剰な刺激を避けるため静かな環境から開始する。

3: 運動を中心としたプログラムを選択する。

4: 手芸用品を持っていき、どのような手芸が好きか本人に確認する。

5: 自宅でどのような役割があるのか本人に確認する。

第56回午後:第20問

32歳の男性。統合失調症。これまで院内の外来作業療法に参加していたが、友人の就労を契機に本人も就労希望を口にするようになった。担当の作業療法士が院内のカンファレンスで、この患者の就労移行支援事業所利用を提案するにあたって最も重要なのはどれか。  

1: 罹病期間

2: 幻聴の頻度

3: 病識の程度

4: 就労への意欲

5: 統合失調症の病型

  • 答え:4
  • 解説:就労移行支援事業所利用を提案する際に最も重要な要素は、患者の就労への意欲です。患者が一般就労や起業を希望し、適正な職場への就労が見込まれる場合、支援を受けることができます。
  • 罹病期間は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。罹病期間に関係なく、事業の利用ができます。
  • 幻聴の頻度は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。症状の頻度や重症度は支援を受ける条件に含まれていないため、幻聴の頻度によって就労が妨げられる状況とは考えにくいです。
  • 病識の程度は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。職場への就労が見込まれる場合、病識の程度に関係なく、支援を受けることができます。
  • 就労への意欲は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素です。患者が一般就労や起業を希望し、適正な職場への就労が見込まれる場合、支援を受けることができます。
  • 統合失調症の病型は、就労移行支援事業所利用を提案する際の最重要要素ではありません。病型に関係なく、事業の利用ができます。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午前:第17問

40歳の男性。20歳から飲酒を始め、就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた。その後、毎晩の飲酒量が増え、遅刻や無断欠勤をし、休みの日は朝から飲酒するようになった。連続飲酒状態になり、リビングで泥酔し尿便を失禁していた。心配した妻に連れられて精神科を受診し、そのまま入院となった。離脱症状が治まり、体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された。初回面接時には「自分は病気ではない」と話した。初期の対応で適切なのはどれか。  

1: 飲酒しないように繰り返し指導する。

2: 心理教育により依存症の理解を促す。

3: AA〈Alcoholics Anonymous〉を紹介する。

4: 10 METsの運動で身体機能の回復を促す。

5: 飲酒による問題の存在を受け入れるよう促す。

  • 答え:2
  • 解説:この患者はアルコール依存症であり、病気であることを否認している。初期の対応としては、心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 否認がみられる患者に対して、飲酒しないように繰り返し指導するだけでは効果が得られにくい。患者が飲酒がなぜいけないのか理解できるようなアプローチが必要である。
  • 心理教育により依存症の理解を促すことは、患者の病識を高め、断酒を勧める上で適切な対応である。この選択肢が正しい。
  • AAや断酒会などの自助グループへの参加は、回復期のアルコール依存症患者に対して有効であるが、現時点では時期尚早であるため、初期の対応としては適切ではない。
  • 10 METsの運動は負荷量が大きく、現在の患者には適切ではない。初期の段階では栄養状態を確認し、運動は低負荷から開始するべきである。
  • 患者は否認がみられるため、飲酒による問題の存在を受け入れるよう促すだけでは理解が得られにくい。心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第50回午後:第18問

82歳の女性。認知症。会社員の娘と認知症初期の夫との3人暮らしで、家族に介護されている。患者は興奮すると夫に暴言を吐き、物を投げつけ、不安が強くなると仕事中の娘に十数回電話する状況である。集団を嫌いデイサービスの利用は拒否していたため、訪問作業療法の指示が出た。まず行うべきなのはどれか。  

1: 服薬指導

2: 家族への助言

3: 身体機能の維持

4: 趣味活動の拡大

5: 記憶障害の改善

第35回午前:第31問

40歳の男性。うつ病。会社員。管理職に昇進後、父方のいとこがうつ状態で自殺したのを契機に、約3か月前から不眠、食欲不振、自信喪失および抑うつ気分を呈し、「仕事をする意欲がわかない。みんなに申し訳ない。」と言い、希死念慮が認められ入院となった。入院後1か月で症状が改善し、退院を目的に作業療法が処方された。作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 簡単で繰り返しのある構成的作業から導入する。

2: 導入時はグループ活動は避ける。

3: 作業量の少ない種目から導入する。

4: 自信をもつよう励ます。

5: 作品完成の目標について話し合う。