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第38回午前:第35問

13歳の男子。恐怖症性不安障害。父親の転勤で中学転校時から、漠然とした不安感情が表れるようになった。ある日、授業中に動悸や息切れがひどくなり発作性の震えが出現、養護教諭のすすめで精神科クリニックを受診した。その後、不安発作が激しくなり不登校の日が続いた。主治医・両親・患者・学校側との相談の結果、クリニック付設デイケアに参加することになった。デイケア開始時に治療者が留意する点で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 年齢を考慮し他のメンバーには紹介しない。

2: 年齢を考慮しプログラムはスタッフが決める。

3: 発作時の対処をスタッフ間で話し合う。

4: 患者と治療設定を確認し合う。

5: 不登校と発作の関係を聴く。

第45回午前:第16問

30歳の男性。統合失調症。高校時代から体調不良を訴えるようになり、自宅に引きこもっていた。5年前に幻覚妄想状態のため入院し作業療法を継続していたが、最近、「退院したい」と意欲を見せ始めた。作業療法種目を変更した3日後に患者が身体的不調を訴え始めた。対応で適切なのはどれか。  

1: 休憩の時間を増やす。

2: 以前の作業種目に戻す。

3: 直ちに作業療法を中止する。

4: 他の作業療法士が担当する。

5: 就労意欲を高める種目に変更する。

第57回午後:第19問

22歳の男性。注意欠如・多動性障害。大学卒業後に営業職に就いた。顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き、上司が度々指導をしても改善しなかった。子供のころから不注意傾向があり、母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という。その後も失敗が続いて自信を喪失し、1週前から欠勤し精神科の受診に至った。入院となり作業療法が処方された。この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。

2: 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。

3: 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。

4: 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。

5: 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。

  • 答え:2
  • 解説:注意欠如・多動性障害(ADHD)の患者で、不注意傾向から業務上の問題行動があって職場の指導では改善が見られない。患者は自信を喪失して欠勤していることから、自尊心の回復が対応すべき課題である。
  • 患者は営業職に就いていたが、不注意傾向はどのような業務にも影響があり、転職しても解決にはならない。失敗が続いて自信を喪失している患者に転職を勧めると、自尊心を傷つけることになる。
  • 入院した時期に作業療法が処方されており、急性期にあると推察される。急性期には休息させ心身の回復を図ることが重要である。この選択肢が正しい。
  • 患者に現在の状況が母親の責任だと伝えたとしても、患者が損なった自尊感情を回復することにはならない。母親は自戒の念を述べているが、これが患者の能力と欠勤の原因と判断することは困難。
  • 上司の指導方法が、患者の不注意と業務失敗の誘因とは言えない。また、業務上の失敗が患者の責任でないことが事実だとしても、それを急性期の患者に伝えても、患者は失敗を思い出しては内省を繰り返す危険がある。
  • 急性期には、患者が逃避した職場への復帰を直接的な目的とした作業を勧めることはできない。患者は自信を失っている状態であり、職場復帰を想像することがストレスとなる。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第44回午前:第40問

33歳の男性。てんかん。IQ75。仕事を何度も変えている。母親への依存が強く何事も相談しないと始められない。発作再発で入院したが、処方薬の調整も済んで退院を目的として作業療法が開始された。開始して間もなく「口の中でコーヒーの味がしてくる」と訴えた。このときの対処で適切なのはどれか。  

1: 作業を続けさせる。

2: 母親へ電話をかけさせる。

3: 横に寝かせて安静を保つ。

4: 緊張緩和のために話しかける。

5: 不快感をとるためにうがいをさせる。

第46回午前:第17問

19歳の男性。統合失調症。大学入学後、授業中に突然大声で叫ぶようになり、幻聴と被害妄想とが認められたため入院となった。治療開始後1か月経過し症状が改善したため自宅へ退院したが、疲労感が強く半年間引きこもっていた。このため、復学を目標として外来作業療法が開始された。この時期の作業療法の役割はどれか。  

1: 休息援助

2: 仲間づくり

3: 余暇の利用

4: 社会性の獲得

5: 生活リズムの獲得

第50回午前:第16問

55歳の男性。うつ病。3か月前に昇格し研修部門の責任者となった。最近になり睡眠障害と気分の落ち込みとが出現した。職場では研修予定が立てられない、報告書の提出が遅れるなど仕事がこなせなくなった。心配した上司に勧められて精神科を受診し、休職することになった。この時点の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 楽しい体験を勧める。

2: 休息の重要性を伝える。

3: 作業活動時間は短くする。

4: 生活課題への取り組みを始める。

5: 能力向上のための課題を提供する。

第44回午前:第28問

53歳の男性。理容師。先輩からの勧めで同業者組合の役員となってから、生来の気の弱さも手伝って飲酒量が増え、仕事ができなくなり入院した。振戦せん妄もおさまり作業療法が処方された。初回面接時の観察で重要なのはどれか。2つ選べ。  

1: 記銘力

2: 見当識

3: 眼球運動

4: 手指巧緻性

5: 言語流暢性

第55回午前:第11問

51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。  

1: 静かな環境で行う。

2: 新規課題を毎日与える。

3: 複数の作業療法士で担当する。

4: 不適切な言動には繰り返し注意する。

5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。

  • 答え:1
  • 解説:この患者は外傷性脳損傷により記憶障害、前頭葉機能障害、遂行機能障害が見られるため、静かな環境で行う作業療法が適切である。
  • 静かな環境で行うことは、感情のコントロールが難しい患者にとって適切であり、外界からの刺激量を調節し感情の高ぶりが生じにくくなる。
  • 新規課題を毎日与えることは、この患者にとって混乱を招く可能性があるため適切ではない。長期的に慣れ親しんだ活動が適する。
  • 複数の作業療法士で担当することは、患者が混乱する可能性があるため適切ではない。担当する作業療法士は一人とし、作業の指示も統一した方法で行うべきである。
  • 不適切な言動に対して繰り返し注意することは、患者の感情を逆なでする可能性があるため適切ではない。注意する際は、自尊心を損なわないように配慮するべきである。
  • 集団でのレクリエーション活動は、作業が複雑になりやすく、処理すべき情報も過多となるため、個別対応のほうが望ましい。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第45回午前:第17問

25歳の会社員。通勤中に電車内で突然の心悸亢進、発汗、身体のふるえ及び窒息感におそわれ搬入された。心電図、脳波および血液検査で異常を認めなかったため自宅に戻った。その後も週2、3回同様の発作が生じ、外出が困難となったため精神科を受診した。この疾患の特徴はどれか。  

1: 男性に多い。

2: 発作は人前で起こる。

3: 背景に身体疾患がある。

4: 予期不安が生じやすい。

5: 意識障害を伴いやすい。

第44回午前:第32問

26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。この時点での作業療法評価で優先されるのはどれか。  

1: 余暇活動

2: 集団内行動

3: 金銭管理能力

4: 作業遂行能力

5: 交通機関の利用

第53回午前:第20問

52歳の男性。統合失調症で精神科入院歴があるが、この9年間は治療中断しており、時々幻聴に影響された言動がみられる。医師の往診の後、何とか本人の同意を得て訪問支援開始となった。初回訪問時、居間で20分ほど落ち着いて話ができる状況である。初期の訪問において、作業療法士が最も留意すべきなのはどれか。  

1: 服薬勧奨を積極的に行う。

2: 1日に複数回の訪問を行う。

3: 身の回りの整理整頓を促す。

4: 毎回違うスタッフが訪問する。

5: 本人の興味や関心事を把握する。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、統合失調症の患者に対して作業療法士が初期の訪問で最も留意すべきことを選ぶ必要があります。患者との関係性を築くことが重要であり、本人の興味や関心事を把握することが適切な作業活動選択に繋がります。
  • 服薬は必要であるが、治療中断の理由が不明であり、薬物の種類と量が確定していない時期であるため、積極的な勧奨はできません。
  • 患者は落ち着いて話せるのは20分程度であり、この時期に1日複数回の訪問を行うことは、患者にとって精神的負担が大きいため適切ではありません。
  • 問題文には患者が身の回りの整頓をできていない様子は書かれておらず、この時点で患者の問題にないことは、初期の訪問で促す必要性はありません。
  • 毎回違うスタッフが訪問に行くと、患者との治療的関係性を築きにくくなるため、適切ではありません。
  • 初期の訪問では、適切な作業活動選択のために、本人の興味や関心事を把握する必要があります。これにより、幻聴に影響された言動などを作業活動によって抑えられる可能性があります。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第43回午前:第29問

23歳の女性。統合失調症。短大卒業後、事務員として働いていた。職場の同僚に噂されていると上司に訴えるなど、被害関係妄想が強まり精神科に紹介され入院となった。薬物療法で精神症状は治まり、2週目に作業療法が開始された。作業療法導入時の面接事項で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 症状の内容

2: 睡眠の状態

3: 職場のストレス

4: 過去の親子関係

5: 現在困っていること

第53回午後:第18問

20歳の男性。幼少期は一人遊びが多かった。小学校から高校までは成績は概ね良かったものの、正論的発言が多い、融通が利かないなどによって集団になじめず、いじめを受けることも多かった。大学に入ると、講義科目は問題ないが、演習科目のグループワークで相手に配慮した発言がうまくできず、メンバーから避けられることが多くなった。大学2年生になると、過去のいじめ体験を思い出してパニックになることが増え、自宅の自室に引きこもる状態となったため、母親に連れられて精神科を受診し、外来で作業療法が開始された。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: ルールや取り決めを明示しておく。

2: 興味や関心のある活動を導入する。

3: 作業手順を言葉で細かく伝える。

4: 心理教育プログラムを行う。

5: パラレルな場を用いる。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は自閉スペクトラム症(ASD)が考えられるため、作業療法においては、ルールや取り決めを明示する、興味や関心のある活動を導入する、心理教育プログラムを行う、パラレルな場を用いるなどの対応が適切である。ただし、作業手順を言葉で細かく伝えることは、混乱を招くことがあるため適切ではない。
  • 自閉スペクトラム症に対する作業療法の導入では、あらかじめ約束事(ルール)を明示するとよい。これにより、患者が安心して活動に取り組むことができる。
  • 作業療法の導入には興味・関心のある活動を用いて、治療・援助の目標や約束などを具体的に取り決めることが望ましい。これにより、患者が自分の興味に基づいて活動に取り組むことができる。
  • 自閉スペクトラム症では、作業手順を言葉で細かく伝えても混乱することがある。言葉の場合はなるべく簡潔に、具体的表現で伝えたほうがよい。また、作業手順は図示するなど、言語以外の表記法を用いるとよい。この選択肢は適切でないため、答えとなります。
  • 心理教育プログラムは、患者に症状の自己理解を促す点で適切である。これにより、患者が自分の状況を理解し、適切な対応ができるようになる。
  • この患者は引きこもりがあるため、作業療法はパラレルな場で始めた方がよい。人と場を共有させつつ、人と同じことをしなくてもよい、制約の少ない場での作業を体験させ、他人との成功体験を重ねることで、集団の中で過ごすことに慣れていくと考えられる。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午後:第19問

28歳の男性。統合失調症で6か月前に精神科病院に措置入院歴がある。その後退院し、自治体による退院後支援計画に基づいて外来でフォローされていたが、2か月前から抗精神病薬の服薬が不規則になり、幻聴の増悪がみられた。自傷行為はなく、家族をはじめ周囲の人間に対して手をあげるようなことはないが「薬は飲むな」という幻聴に左右されてこの1週間は全く服薬しておらず、一昨日から一睡もできていない。両親が「担当医に相談しよう」と勧めてなんとか外来受診をさせたが、精神保健指定医から入院を勧められてもかたくなに拒否を続けている。この患者の現在の状況において適切な入院形態はどれか。  

1: 任意入院

2: 応急入院

3: 医療保護入院

4: 緊急措置入院

5: 医療観察法による入院

  • 答え:3
  • 解説:この患者は自傷他害行為がなく、本人の同意が得られないが家族の同意が得られる状況であるため、医療保護入院が適切な入院形態となります。
  • 任意入院は、入院を必要とする精神障害者で、入院について本人の同意がある者が対象となる。この患者は、本人の同意が得られないため、適応外である。
  • 応急入院は、入院を必要とする精神障害者で、任意入院を行う状態になく、急速を要し、家族等の同意が得られない者が対象となる。この患者の家族は、患者に治療を勧めていることから、家族等の同意は得られると考えられるため、適応外である。
  • 医療保護入院は、入院を必要とする精神障害者で、自傷他害の恐れはないが、任意入院を行う状態にない者が対象となる。精神保健指定医(または特定医師)の診察と家族等のうちのいずれかの者の同意が必要である。この患者は、自傷他害のおそれがなく、入院に対する本人の同意は得られないが、家族などの同意が得られると考えられるため、医療保護入院の適応となる。
  • 緊急措置入院は、入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者が対象となる。急速な入院の必要性があることが条件で、指定医の診察は1名でよいが、入院期間は72時間以内に制限される。この患者は、自傷他害のおそれがないため、適応外である。
  • 医療観察法による入院は、心神喪失または心神耗弱の状態で、重大な他害行為(殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ、傷害)を行った者が対象である。この患者は、重大な他害行為は行っていないため、適応外である。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第42回午前:第33問

18歳の男子。大学入学後、サークル活動時に不潔恐怖が出現し、手洗いが頻回となり、1時間以上も続けるようになった。本人の希望で精神科を受診し、入院となった。1週後に作業療法が開始された。開始時の作業療法で正しいのはどれか。  

1: 疲労軽減のため音楽を聴く。

2: 作業療法中の手洗い行為を禁止する。

3: 対人関係改善のためSSTを行う。

4: 意欲向上を目的として運動を行う。

5: 大学生活の過ごし方を話し合う。

第48回午前:第18問

32歳の女性。統合失調症。大学卒業後商社に勤務していた。28歳ころから「心身ともに疲れる」と言うようになり、このころから幻聴が出現した。定期的に受診し服薬を続けていたが、1か月前から職場で自分の悪口を言われているような幻聴が増加したため休職し、外来作業療法が処方された。この患者の作業療法で優先するのはどれか。  

1: 運動

2: 調理訓練

3: 通勤訓練

4: レザークラフト

5: セルフモニタリング

第34回午前:第26問

24歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。「死ね」という幻聴があり、自室に閉居して食事をとらなくなったため入院した。入院後、幻聴は軽減したが、不安が強く対人関係を避けて横になっていることが多い。入院3週目に対人関係の改善を目的に作業療法が処方された。この時点で協同で行える作業種目はどれか。  

1: 模造紙大のタイルモザイク

2: 10枚組みの陶板絵

3: 画用紙大のはり絵

4: 10枚組みのキルト

5: テレビゲーム

第55回午前:第17問

40歳の男性。20歳から飲酒を始め、就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた。その後、毎晩の飲酒量が増え、遅刻や無断欠勤をし、休みの日は朝から飲酒するようになった。連続飲酒状態になり、リビングで泥酔し尿便を失禁していた。心配した妻に連れられて精神科を受診し、そのまま入院となった。離脱症状が治まり、体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された。初回面接時には「自分は病気ではない」と話した。初期の対応で適切なのはどれか。  

1: 飲酒しないように繰り返し指導する。

2: 心理教育により依存症の理解を促す。

3: AA〈Alcoholics Anonymous〉を紹介する。

4: 10 METsの運動で身体機能の回復を促す。

5: 飲酒による問題の存在を受け入れるよう促す。

  • 答え:2
  • 解説:この患者はアルコール依存症であり、病気であることを否認している。初期の対応としては、心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 否認がみられる患者に対して、飲酒しないように繰り返し指導するだけでは効果が得られにくい。患者が飲酒がなぜいけないのか理解できるようなアプローチが必要である。
  • 心理教育により依存症の理解を促すことは、患者の病識を高め、断酒を勧める上で適切な対応である。この選択肢が正しい。
  • AAや断酒会などの自助グループへの参加は、回復期のアルコール依存症患者に対して有効であるが、現時点では時期尚早であるため、初期の対応としては適切ではない。
  • 10 METsの運動は負荷量が大きく、現在の患者には適切ではない。初期の段階では栄養状態を確認し、運動は低負荷から開始するべきである。
  • 患者は否認がみられるため、飲酒による問題の存在を受け入れるよう促すだけでは理解が得られにくい。心理教育により依存症の理解を促すことが適切である。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第43回午前:第28問

47歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事のストレスのために飲酒量が増え、40歳ころから高脂血症と肝機能障害とがある。年末年始に連続飲酒の状態となり、妻と両親に付き添われて精神科を受診した。アルコール専門病棟へ入院し、2週目に作業療法が開始された。この時点での作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 体力の向上を図る。

2: 合併症に関する心理教育を行う。

3: 仕事のストレスについて話し合う。

4: 生活技能訓練(SST)を行う。

5: 自助グループを紹介する。

第56回午前:第19問

22歳の男性。職場でケアレスミスがあまりにも多いため、産業医の勧めで精神科を受診した。母親の話によると、幼少時から落ち着きがなく、小学校の担任から「人の話を聞いていない」、「順番を守れない」、「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり、大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった。この患者に薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬はどれか。  

1: 気分安定薬

2: 抗うつ薬

3: 抗精神病薬

4: 抗不安薬

5: 精神刺激薬

  • 答え:5
  • 解説:この患者は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状があるため、精神刺激薬が最も適切な治療薬となります。ADHDは、脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが不足し、神経伝達の調節異常が生じることによって、注意力の散漫や衝動的で落ち着きのない行動などの症状があらわれるとされています。
  • 気分安定薬は主に双極性障害に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 抗うつ薬は主にうつ病に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 抗精神病薬は主に統合失調症に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 抗不安薬は主に不安障害に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 精神刺激薬はADHDの症状を改善するために用いられる薬であり、この患者に適切です。例えば、グアンファシンはα2Aアドレナリン受容体に作用し、シグナル伝達が増強することでADHDの症状が改善されると考えられています。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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