第40回午前第40問の類似問題

第45回午前:第18問

25歳の会社員。通勤中に電車内で突然の心悸亢進、発汗、身体のふるえ及び窒息感におそわれ搬入された。心電図、脳波および血液検査で異常を認めなかったため自宅に戻った。その後も週2、3回同様の発作が生じ、外出が困難となったため精神科を受診した。この患者に対する作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 生活リズムを整える。

2: 身体運動を取り入れる。

3: 外出の練習を取り入れる。

4: リラクセーションの練習をする。

5: 社会生活技能訓練(SST)を行う。

第48回午前:第17問

32歳の女性。統合失調症。大学卒業後商社に勤務していた。28歳ころから「心身ともに疲れる」と言うようになり、このころから幻聴が出現した。定期的に受診し服薬を続けていたが、1か月前から職場で自分の悪口を言われているような幻聴が増加したため休職し、外来作業療法が処方された。作業療法の評価で優先するのはどれか。  

1: 生活歴

2: 基礎体力

3: 金銭管理能力

4: 対人関係能力

5: 余暇の過ごし方

第56回午前:第19問

22歳の男性。職場でケアレスミスがあまりにも多いため、産業医の勧めで精神科を受診した。母親の話によると、幼少時から落ち着きがなく、小学校の担任から「人の話を聞いていない」、「順番を守れない」、「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり、大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった。この患者に薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬はどれか。  

1: 気分安定薬

2: 抗うつ薬

3: 抗精神病薬

4: 抗不安薬

5: 精神刺激薬

  • 答え:5
  • 解説:この患者は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状があるため、精神刺激薬が最も適切な治療薬となります。ADHDは、脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが不足し、神経伝達の調節異常が生じることによって、注意力の散漫や衝動的で落ち着きのない行動などの症状があらわれるとされています。
  • 気分安定薬は主に双極性障害に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 抗うつ薬は主にうつ病に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 抗精神病薬は主に統合失調症に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 抗不安薬は主に不安障害に用いられる薬であり、この患者の症状には適していません。
  • 精神刺激薬はADHDの症状を改善するために用いられる薬であり、この患者に適切です。例えば、グアンファシンはα2Aアドレナリン受容体に作用し、シグナル伝達が増強することでADHDの症状が改善されると考えられています。
  • 科目:発達・小児疾患
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第44回午前:第36問

24歳の女性。幼少時に母親から虐待を受けていた。高校中退後から仕事を転々としている。男性との関係は不安定で別れ話のたびに大量服薬を繰り返した。いつもむなしくて死にたい気持ちがあると自覚して、精神科クリニックを受診した。この患者にみられない特徴はどれか。  

1: 理想化

2: 行動化

3: 身体化

4: 物盗られ妄想

5: ストーカー行為

第57回午前:第19問

7歳の男児。幼児期から落ち着きがなく、一つのおもちゃで遊べないなどの行動があった。小学校入学後、長時間椅子に座れない、順番を待てない、注意散漫などの問題行動があり、外来作業療法を受けることになった。作業療法では、次第に活動に継続して取り組めるようになってきたが、協調動作が必要な作業は苦手である。知能検査では知的障害は認められなかった。作業療法を行う上での留意点として適切なのはどれか。  

1: 複数の課題を同時に提示する。

2: 順番が守れない場合は厳しく注意する。

3: 周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める。

4: 数週間継続して取り組める連続課題を実施する。

5: 作業台の上にいろいろな道具や材料を揃えておく。

  • 答え:3
  • 解説:この問題では、ADHDの特徴的な行動を持つ7歳の男児に対して、作業療法を行う上での留意点を選ぶ必要があります。ADHDの子どもは注意力が散漫であり、協調動作が苦手であることが一般的です。
  • 選択肢1は間違いです。注意散漫な問題行動がある子どもに対して、複数の課題を同時に提示すると、どれにも集中できず、効果的な作業療法になりません。
  • 選択肢2は間違いです。順番が守れないのはADHDの症状であり、厳しく注意することで行動を変えることは困難です。むしろ、子どもの自尊心を傷つける可能性があります。
  • 選択肢3は正解です。周囲に受け入れられる行動は積極的に褒めることで、子どもがその行動を継続しやすくなります。また、自尊心を高めることで、他の問題行動の改善にもつながることがあります。
  • 選択肢4は間違いです。ADHDの子どもに対して、数週間継続して取り組む連続課題を実施することは、注意散漫な問題行動によって困難です。短期間で結果が出る課題を提示する方が効果的です。
  • 選択肢5は間違いです。作業台の上に多くの道具や材料を揃えておくと、子どもの注意が散漫になり、作業に集中できなくなります。必要なものだけを用意し、環境を整えることが重要です。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第52回午後:第13問

24歳の女性。統合失調症。2か月前からスーパーの惣菜コーナーで働いている。週1回、外来作業療法を利用しており、仕事や生活の様子を話題にしながら患者の体調の確認を行っている。作業療法士が気を付けるべき状態悪化時のサインとして適切でないのはどれか。  

1: 不穏な状態になる。

2: 睡眠時間が長くなる。

3: 仕事を休みがちになる。

4: 仕事仲間に疑い深くなる。

5: 仕事上のミスが多くなる。

第55回午後:第14問

24歳の女性。統合失調症。1年前に職場の対人関係のストレスから発症した。現在は休職し、外来通院をしている。嫌がらせをされているという被害妄想は薬物療法により消失したが、ちょっとした周りの表情やしぐさを見て「周りの人が私のことを言っているような気がする」という猜疑的な言動はみられている。そこで主治医の判断により、認知機能の改善を目的に週1回、外来作業療法を利用したプログラムに参加することになった。この患者の治療目的に合ったプログラムとして適切なのはどれか。  

1: ACT〈assertive community treatment〉

2: Empowerment approach

3: IPS〈individual placement and support〉

4: SCIT〈social cognition and interaction training〉

5: WRAP〈wellness recovery action plan〉

  • 答え:4
  • 解説:この患者は統合失調症で対人関係に猜疑的な言動が見られるため、認知機能の改善を目的とした治療が適切である。そのため、SCIT(social cognition and interaction training)が最も適切なプログラムである。
  • ACT(assertive community treatment)は、統合失調症患者の社会復帰を目指すための地域密着型のチームアプローチであるが、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • Empowerment approachは、患者自身が自分の力を取り戻し、自立した生活を送ることを目的としたアプローチであるが、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • IPS(individual placement and support)は、統合失調症患者の就労支援を目的としたプログラムであり、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • SCIT(social cognition and interaction training)は、統合失調症患者の認知機能や対人関係スキルを改善することを目的としたプログラムであり、この患者の症状に対して適切な治療プログラムである。
  • WRAP(wellness recovery action plan)は、患者自身が健康維持や回復のためのプランを立てるプログラムであるが、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第41回午前:第40問

36歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒をしていた。昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、薬物療法と作業療法で症状は安定した。主治医から退院を勧められた後、作業療法場面で泣き出すなど情緒不安定になった。この患者への対応で適切でないのはどれか。  

1: 支持的な態度で患者の訴えを聞いた。

2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。

3: 情緒不安定になったことを作業終了後に主治医へ報告した。

4: 作業療法終了後も行動観察をした。

5: 作業療法の実施回数を増やした。

第46回午後:第18問

22歳の男性。統合失調症。作業療法の開始後、しばらくして「周りの人が自分の悪口を言っている気がする」と訴えてきた。作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 訴えを助長しないよう聞き流す。

2: 個室に移動させ、作業を継続させる。

3: 休憩を取り入れ、周りの人たちの様子を観察させる。

4: 勘違いであることを説明し、気にしないよう説得する。

5: 周りの人たちに、悪口を言ったかどうかを1人ずつ確認する。

第42回午前:第33問

18歳の男子。大学入学後、サークル活動時に不潔恐怖が出現し、手洗いが頻回となり、1時間以上も続けるようになった。本人の希望で精神科を受診し、入院となった。1週後に作業療法が開始された。開始時の作業療法で正しいのはどれか。  

1: 疲労軽減のため音楽を聴く。

2: 作業療法中の手洗い行為を禁止する。

3: 対人関係改善のためSSTを行う。

4: 意欲向上を目的として運動を行う。

5: 大学生活の過ごし方を話し合う。

第47回午後:第16問

21歳の女性。統合失調症。大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した。入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され、入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった。しかし、眠気やだるさ、疲労感があり、一方で復学への焦りが強い。この時期の患者の回復状態はどれか。  

1: 急性期

2: 亜急性期

3: 回復期前期

4: 回復期後期

5: 維持期

第52回午前:第14問

32歳の女性。アルコール依存症。美容師として働く兼業主婦。25歳ごろから飲酒量が増えた。現時点では、仕事や家事に大きな支障はない。このまま飲酒を続けていると大変なことになると思い、飲酒量を減らそうと努力しているが、飲み始めるといつも深酒してしまう。1人の力では断酒できないと悩み、自ら精神科病院を受診して入院治療を受けることになった。回復を目的とした作業療法の評価で最も重要度が高いのはどれか。  

1: 見当識

2: 基礎体力

3: 金銭管理

4: 自己評価

5: 日常生活能力

第39回午前:第26問

60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。作業療法の初期評価で適切でないのはどれか。  

1: 歩行の状態を把握する。

2: 日常生活の状況について尋ねる。

3: 発症に先立つ環境変化について情報収集する。

4: 高次脳機能検査を行う。

5: 患者が関心を持っている活動を聞く。

第53回午前:第20問

52歳の男性。統合失調症で精神科入院歴があるが、この9年間は治療中断しており、時々幻聴に影響された言動がみられる。医師の往診の後、何とか本人の同意を得て訪問支援開始となった。初回訪問時、居間で20分ほど落ち着いて話ができる状況である。初期の訪問において、作業療法士が最も留意すべきなのはどれか。  

1: 服薬勧奨を積極的に行う。

2: 1日に複数回の訪問を行う。

3: 身の回りの整理整頓を促す。

4: 毎回違うスタッフが訪問する。

5: 本人の興味や関心事を把握する。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、統合失調症の患者に対して作業療法士が初期の訪問で最も留意すべきことを選ぶ必要があります。患者との関係性を築くことが重要であり、本人の興味や関心事を把握することが適切な作業活動選択に繋がります。
  • 服薬は必要であるが、治療中断の理由が不明であり、薬物の種類と量が確定していない時期であるため、積極的な勧奨はできません。
  • 患者は落ち着いて話せるのは20分程度であり、この時期に1日複数回の訪問を行うことは、患者にとって精神的負担が大きいため適切ではありません。
  • 問題文には患者が身の回りの整頓をできていない様子は書かれておらず、この時点で患者の問題にないことは、初期の訪問で促す必要性はありません。
  • 毎回違うスタッフが訪問に行くと、患者との治療的関係性を築きにくくなるため、適切ではありません。
  • 初期の訪問では、適切な作業活動選択のために、本人の興味や関心事を把握する必要があります。これにより、幻聴に影響された言動などを作業活動によって抑えられる可能性があります。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第42回午前:第28問

27歳の男性。統合失調症。大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから、眠れない日が続き、急に怒り出すこともあった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり入院した。1週後、症状が徐々に落ち着いてきた時点で作業療法が開始された。2か月後、この患者が職場復帰を前提として退院することになった。退院支援として適切でないのはどれか。  

1: 服薬自己管理プログラムを実施する。

2: 体力回復のため運動プログラムを実施する。

3: 手がけていた設計の準備を開始する。

4: 家族を心理教育プログラムに誘う。

5: 職場や地域スタッフとのケア会議を実施する。

第36回午前:第31問

17歳の男子高校生。恐怖症。2人兄弟の兄。弟とふざけていて、弟が持つボールペンの先が本人の手掌部に突き刺さった。傷は短期間で治癒したが、それ以後ボールペンや包丁などの先の尖ったものを怖がるようになり、勉強も手につかず、不登校となった。弟に対する暴力も時々みられた。通院を開始し、3か月が経過したが、尖端に対する恐怖心や不登校は持続している。この時点で作業療法が開始された。作業療法開始時の作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 適度な距離をおいて接する。

2: 作業療法の場でできることを説明する。

3: 作業活動は生活体験に基づいたものを用いる。

4: 努力・成果を認めるようにする。

5: 症状の意味を伝える。

第46回午後:第17問

19歳の男性。Asperger症候群。普通高校を中位の成績で卒業し、就職したが、指示どおりに仕事ができない、しつこく同じ話を繰り返して同僚を怒らせるなどの対人トラブルが絶えず解雇され、職を転々としている。作業療法で工夫する点はどれか。  

1: 表現活動を促す。

2: 競争的作業を取り入れる。

3: 集団のリーダー役を担わせる。

4: 説明を箇条書きにして手渡す。

5: 興味のあることを自由にしてもらう。

第35回午前:第31問

40歳の男性。うつ病。会社員。管理職に昇進後、父方のいとこがうつ状態で自殺したのを契機に、約3か月前から不眠、食欲不振、自信喪失および抑うつ気分を呈し、「仕事をする意欲がわかない。みんなに申し訳ない。」と言い、希死念慮が認められ入院となった。入院後1か月で症状が改善し、退院を目的に作業療法が処方された。作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 簡単で繰り返しのある構成的作業から導入する。

2: 導入時はグループ活動は避ける。

3: 作業量の少ない種目から導入する。

4: 自信をもつよう励ます。

5: 作品完成の目標について話し合う。

第45回午前:第20問

25歳の男性。幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが、固執性が強く友人との関係は保てなかった。製造業に就職し業務成績も良かったが、研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え、上司に伴われて精神科を受診した。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 集中力を高める。

2: 耐久性の向上を図る。

3: 対人関係技能を高める。

4: 複数の作業を同時に行う。

5: 多くの感覚刺激を取り入れる。

第48回午前:第16問

53歳の男性。アルコール依存症。34歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。1週前から終日飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄がみられたが、3週後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。作業療法場面でみられやすいのはどれか。  

1: 柔軟な判断

2: 高い目標設定

3: 共感的な感情表出

4: 熟慮に基づく行動

5: 円滑な対人関係の構築