亜急性期の統合失調症患者に対する作業療法の目的で正しいのはどれか。
1: 1. 自己能力の限界を知る。
2: 2. 作業遂行能力を改善する。
3: 3. 対人交流技能を改善する。
4: 4. 社会資源の利用を援助する。
5: 5. 基本的な生活リズムを回復する。
22歳の男性。職場でケアレスミスがあまりにも多いため、産業医の勧めで精神科を受診した。母親の話によると、幼少時から落ち着きがなく、小学校の担任から「人の話を聞いていない」、「順番を守れない」、「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり、大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった。この患者に薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬はどれか。
1: 気分安定薬
2: 抗うつ薬
3: 抗精神病薬
4: 抗不安薬
5: 精神刺激薬
境界型人格障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 複数の患者が共有する場で実施する。
2: 衝動発散を促す活動を取り入れる。
3: 指示的態度を維持する。
4: 依存や理想化が生じた時には治療者を交代する。
5: 患者の要求に応じ作業療法終了後に面接を行う。
24歳の男性。てんかん。生活のリズムの崩れから、発作が頻発するため入院。発作はすぐコントロールされ、2か月後に単身生活での退院予定となった。これまでに何度か保護的就労を試みるものの、次第に服薬が不規則になり、知人からパチンコなどに誘われると断わることができず、金銭管理も不可能となって生活の維持が困難となっていた。今回、退院準備の目的で作業療法に参加した。退院のための技能獲得として適切でないのはどれか。
1: 服薬管理
2: 時間管理
3: 金銭管理
4: 就労準備
5: 対人関係
19歳の男性。てんかん及び軽度知的障害(IQ 60)。特別支援学校卒業後にクリーニング店に就職した。「接客態度が悪い」と注意されたことをきっかけに仕事に行けなくなり、引きこもりとなった。時々家族に暴力を振るうために、家族が主治医に相談して外来作業療法が処方された。本人、家族とも復職を希望している。この患者に対して優先すべき対応はどれか。
1: 暴力の内省を促す。
2: 対人技能の訓練を行う。
3: 注意力を高める作業を行う。
4: てんかんの疾病教育を行う。
5: 運動能力を高めるためのスポーツ活動を行う。
40歳の男性。4月に職場の配属先が変わり新しい仕事に慣れない日が続いていた。会社に行くと手に冷や汗が出て、胸がどきどきするようになった。1か月前から不眠、意欲の低下が出現した。会社に行く気力がなくなり、朝からふさぎこむようになったため、妻と一緒に精神科を受診し、入院となった。この患者の入院初期の治療として適切でないのはどれか。
1: 対人技能訓練を行う。
2: 隠れた身体疾患を検索する。
3: 睡眠薬を処方する。
4: 抗うつ薬を処方する。
5: 充分な休息を与える。
32歳男性。統合失調症。入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている。この患者に対する作業面接で、オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか。
24歳の女性。知的障害。就労継続支援A型事業を利用中。就労意欲は高いが状況の判断能力が低く、他者の発言を被害的に受け取る傾向が強く欠勤が多くなり、作業療法士に相談に来た。この患者で優先して支援すべきなのはどれか。
1: 洞察
2: 職場の変更
3: 作業耐久性の向上
4: 生活リズムの安定
5: 対人関係技能の向上
16歳の女子。統合失調症。高校入学後、人の目を気にするようになり、被害的な言動が出現するようになった。文化祭時に興奮状態となり入院となった。入院10日後、症状は徐々に落ち着いてきたが敏感さが残る。この時点で作業療法が処方された。この患者が作業療法を開始して2週後「作業療法は受けたくない」と言った。この時点の対応で適切でないのはどれか。
1: しばらく作業療法を休ませて様子をみる。
2: 受けたくない理由を聞く。
3: 2週間の作業療法の感想を聞く。
4: 他の作業療法士が担当する。
5: 病棟での生活の様子を観察する。
病状が安定している慢性期統合失調症患者が単身生活を始める場合に、優先して身に付けるべき技能はどれか。
1: 就業のための技能
2: 服薬管理の技能
3: 調理の技能
4: 余暇を楽しむ技能
5: 近所付き合いの技能
55歳の男性。うつ病。3か月前に昇格し研修部門の責任者となった。最近になり睡眠障害と気分の落ち込みとが出現した。職場では研修予定が立てられない、報告書の提出が遅れるなど仕事がこなせなくなった。心配した上司に勧められて精神科を受診し、休職することになった。この時点の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 楽しい体験を勧める。
2: 休息の重要性を伝える。
3: 作業活動時間は短くする。
4: 生活課題への取り組みを始める。
5: 能力向上のための課題を提供する。
32歳の女性。統合失調症。大学卒業後商社に勤務していた。28歳ころから「心身ともに疲れる」と言うようになり、このころから幻聴が出現した。定期的に受診し服薬を続けていたが、1か月前から職場で自分の悪口を言われているような幻聴が増加したため休職し、外来作業療法が処方された。作業療法の評価で優先するのはどれか。
1: 生活歴
2: 基礎体力
3: 金銭管理能力
4: 対人関係能力
5: 余暇の過ごし方
16歳の女子。統合失調症。高校入学後、人の目を気にするようになり、被害的な言動が出現するようになった。文化祭時に興奮状態となり入院となった。入院10日後、症状は徐々に落ち着いてきたが敏感さが残る。この時点で作業療法が処方された。作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。
1: 短時間から開始する。
2: 個別で対応する。
3: 単純な作業から導入する。
4: 学校での様子を聴取する。
5: 疲労感を確認する。
48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法導入時の留意点はどれか。
1: 得意であった作業を導入する。
2: 他者との交流を促す。
3: 休息の取り方を練習する。
4: 病気の体験を言語化する。
5: 自己決定の機会を増やす。
長期入院後の統合失調症患者の就労における作業内容として適切なのはどれか。
1: 対人交流が多い。
2: 精密な作業を含む。
3: 勤務時間の変更が多い。
4: スピードを求められない。
5: 自身の判断で手順を決められる。
51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。
1: 静かな環境で行う。
2: 新規課題を毎日与える。
3: 複数の作業療法士で担当する。
4: 不適切な言動には繰り返し注意する。
5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。
26歳の女性。躁病。雑誌の編集員。昼夜が逆転し、職場では同僚や上司に無遠慮な言動が目立ち始めた。日常行動もまとまりに欠けてきたので入院した。入院後1か月で落ち着き始め、職場復帰に向けて作業療法が開始された。開始時の作業で適切でないのはどれか。
1: 短時間で達成可能なもの
2: 巧緻性の低いもの
3: 粗大運動の要素が多いもの
4: エネルギー発散の要素が強いもの
5: 量的達成度を求めるもの
22歳の女性。幼少期に両親と死別したが、祖父母の支援などで問題なく学校生活を過ごした。学業成績は良かったが、感情が不安定で自傷行為を繰り返し、精神科クリニックに通院しながら高校を卒業した。卒業後は事務職として就職したが、感情が不安定でしばしばトラブルを起こした。最近、些細なことで友人と喧嘩になり、激怒して大量服薬して入院となった。入院後、早期に作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。
1: 完璧主義
2: 作為体験
3: 衝動行為
4: 脱力発作
5: 振戦せん妄
50歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事上のストレスで飲酒量が増えた。遅刻や欠勤を繰り返し、2年前にリストラされてからは昼夜を問わず連続飲酒の状態となった。妻に付き添われて精神科を受診し、アルコール専門病棟へ入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。回復期の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 家族同伴の心理教育を行う。
2: 集団内の仲間意識を育てる。
3: 自助グループへの参加を促す。
4: 医療機関の利用終了を目指す。
5: 退院後の生活について助言する。
50歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事上のストレスで飲酒量が増えた。遅刻や欠勤を繰り返し、2年前にリストラされてからは昼夜を問わず連続飲酒の状態となった。妻に付き添われて精神科を受診し、アルコール専門病棟へ入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。この患者の導入期評価で優先度が高いのはどれか。
1: 認知機能
2: 作業能力
3: 金銭管理
4: 基礎体力
5: 対人関係